あぜ道日誌

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インドハリアナ州のあぜ道から(7)

 首都ニューデリーから北西へ車で6時間ほどに位置するハリアナ州カイタルの町、この町を訪れた日本人はおそらくごくわずかでしょう。カイタルは人口10万人ほどの町ですが結構賑やかでした。学校に通う学生達のバイク、超満員のバス、騒音の中を行き交う荷馬車、人通りは途絶えることがありません。今のインドの活力を感じます。人懐っこい子供達に元気をもらいました。ナマステ。
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学生達で込み合うバス
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稲わらを満載したトラクター、荷馬車が行き交う
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農機具屋さんにて 
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市場にて、 タマネギ、ニンジン、ピーマン、サトイモ、ナス、果物はかんきつ類が多い
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小学校にて
 

(2018年2月19日 09:36)

第20回酒米の里づくりフォーラム、蔵元、生産者一堂に

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表彰状を受け取る大沼敦さん(左)、松澤信矢さん(右)

 2月15日、酒造好適米の安定生産と栽培技術の向上に向けた第20回酒米の里フォーラムが山形市で開かれ、県内の蔵元、酒米生産者、JA、県などの関係者140名ほどが一堂に集いました。本ブログでたびたび紹介しているJA金山酒米研究会、JA新庄もがみ酒米研究会(ゆびきりげんまん)の皆さんも、連日の除雪作業の合間を縫って参加しました。
 優良酒米コンテストでは、出羽燦々の部で松澤信矢さん(JA金山酒米研究会)が酒米協議会賞を、美山錦の部では大沼敦さん(JA新庄もがみ酒米研究会)が全農山形会長賞をそれぞれ受賞しました。昨年に引き続いての受賞です。おめでとうございます。
 表彰式後、知事賞受賞者が酒米づくりへの創意工夫や思い入れなどの体験発表、引き続き、山形県酒造組合特別顧問 小関敏彦氏がIWC2018が山形県で開催されるのを受け「GI表示とIWC」の講演を行いました。
 フォーラム終了後は恒例になっている蔵元と生産者との交流会、酒造りと米づくりが雪女神が醸す酒を酌み交わし、絆を強めあいました。山形の酒の評価が高まっている原点がここにある、その思いを一層深く感じた交流会でした。
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酒米づくりへの決意もあらたに、金山酒米研究会(左)とゆびきりげんまん(右)の皆さん

(2018年2月16日 09:41)

インドハリアナ州のあぜ道から(6)

 

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サットパル氏、担当農家(4名)らと対応策について打ち合わせ

  対応策の基本は、次の2点であることを提案。
 第1点が苗代に水を溜め、漏水を防ぎ苗を保温すること。それには古ビニールシートを畦畔脇に30㎝ほど埋め込む。
 第2点が尿素の追肥を施用し生育を促進すること。
 現地の農家は冬季に米づくりをした経験はないという。小麦の収穫後のバスマティ栽培は雨季のもっとも暑い時期に入ります。代掻きした水苗代にタネを播けば、短期間で芽がでるでしょう。”水で苗を保温する”、という考えが思い浮かばないのも蓋し当然かもしれません。
 帰国後に送られてきたメールの写真からは、これらの提案は実行されたことがわかります。苗の緑は濃くなり、生育は回復してきたようです。あとは何時田植えするかの連絡を待つばかりです。
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畦畔にはビニールシートを埋め漏水防止、水がたまっている (1月29日)
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苗の生育は回復しつつあり、あとは田植えをまつばかり 

 でも気になる点があります。それは地下300mからくみ上げる水には塩分が含まれていないのか、もし含まれているとすれば、その水が灌漑される田んぼの土にも。そこで持ち帰った田んぼの土のPHとCEC(陽イオン交換容量)、地下水のPHを測定しました。その結果によれば、土のPH8.3、CEC8.1、水のPHは8.3で、土、水ともPHはいずれも高くアルカリ性です。サットパル氏は水、土ともにPHは7.0だから問題はないと言っていましたが。ちなみに山形県の田んぼの土のPHは5.5~6.0、CECは20以上です。CECは土の地力、保肥力の高さの指標になりますが、この数字からは地力は低いと言えるでしょう。
 地下水灌漑は、チューブウエル灌漑(掘り抜き井戸を掘って動力ポンプで地下水をくみ上げる方式)と呼ばれています。本灌漑方式で生産力が向上した背後で、地下水の低下や塩害が発生、とくに深刻化しているのは過剰揚水による地下水の低下とも言われています(調査と研究 京都大学 第18号より)。日本米の栽培に当たっての留意すべき点でしょう。また、おいしい日本米を作る上では稲わらなどの有機物の還元で地力を高めることも必要でしょう(現地では稲わらが田んぼに還元されることはない)。半乾燥地ハリアナでの日本米づくりは緒についたばかり、クリアする多くのハードルが待ち構えています。

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2月15日に送られてきた苗の生育  
 

(2018年2月14日 13:26)

インドハリアナ州のあぜ道から(5)

 苗の生育は思わしくない、事前の情報に不安を抱きながらKaithalno現地に入ったのは1月17です。
 朝、デリーの郊外ブルガオンのホテルを出発、デリー名物の大渋滞地帯を過ぎ、高速道を北西に向かって走ること6時間、青々と広がる麦畑、菜種の花が濃霧にかすんで見えます。途中のドライブインで休憩、外はヤッケを羽織るほどの寒さ。熱いミルクティ「チャイ」が冷えた体にしみ込む。霧が晴れた午後2時頃Kaithalni到着。休む間もなく苗代へ。
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    苗代①            苗代②
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    苗代③            苗代④

  苗代①:麦畑の一角に作られた苗代、水は入っていない。出芽はしたが、不完全葉、第1葉は白く変色し枯死している。根も伸びていない。寒さのためという。
 苗代②:苗代は宅地のわきに作られ、周囲は麦畑。側には地下水をくみ上げるポンプはあるが苗代に水は入っていない。防寒のためビニールを被覆しているが苗の成育は不ぞろい。農家は”霧のせいだ。木の葉も茶色になった”という。水を入れてもらう。驚いたことに、勢いよく出る地下水は生暖かい。水温20℃ぐらいか。地下300mから汲み上げているからであろう。外気温は低くとも、地下水の保温力を活用すれば苗は育つ、かつて山形は雪解けの水で苗づくりをした。
 苗代③:ここも水は入っていない。苗の生育は不ぞろいではあるが②よりは緑々し、生育は良い。根も伸びている。苗代が鶏小屋と木立に囲まれているため霧はかからないとのこと。養魚場のため池から流れる水を入れる。溜め池にはコブラが潜んでいるときもあるとか。
 苗代④:苗代は大型のキュウリハウスの一角に作られている。ここにも水は入っていない。苗の生育は不ぞろいであるが、根は白く長く伸びている。ハウスの中なので霧の影響はない。






 4か所の苗代とも、畦畔は土を盛り上げただけの簡易な作り、漏水を防ぐクロ塗はなされていない。ザル田では水はたまらない。それでも、②~④は今後の周到な管理対応で回復は可能と判断した。翌日、サットパル氏、担当農家と対応策について話し合う。

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苗代は土を盛り上げただけ。 保温のためビニールシート被覆(苗代③)
 

 

 

(2018年2月14日 09:40)

大蔵村肘折 積雪430cmを記録

sekisetu.jpg 県内は強い冬型の気圧配置の影響で大雪となっています。13日9時現在の積雪深は、大蔵村肘折432cm、西川町大井沢283㎝、尾花沢市233㎝、小国町233㎝、金山町184㎝、新庄市184cm、米沢市134㎝、山形市49㎝などとなっています。肘折の積雪深は観測史上1位の記録ということです。
 この大雪の中、肘折を訪れた温泉客には、積雪415cm以上になると一泊の宿泊料は無料になる特典があるとか。

(2018年2月13日 10:50)

インドハリアナ州のあぜ道から(4)

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芽だしをした種子を水苗代播く(12月3日)

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苗代期間(12月1日~1月31日)の気温の推移

 インドハリアナ州で日本米づくりに挑戦するプロジェクトチームをアスクインディアと呼んでいます。チームの先発組が、現地の指導者サットパル氏(写真右から2人目)のアドバイスを受け播種したのが12月3日、続いて、12月5日にはKaithal ujjanaの生産者が60㎡の水苗代に7kg(115g/㎡)のタネもみを播きます。水苗代は畦畔を作り、代掻きしただけで、写真からもわかりますように畦畔からの漏水対策などがない簡易なものです。12月16日にはKaithal jhakholiのキュウリ農家がハウス内に4㎡ほどの水苗代に280gのタネをまく。12月25日にはKaithal siwanの生産者が126㎡の水苗代に10kg(80g/㎡)のタネをまきます。播種日を何回かに分けたり、ハウスに苗代を作ったりしたのは、生産者自身が冬季に米づくりをした経験がなく、サットパル氏と生産者が播種の適期を確認するためでもあったようです。
 さて、Kaithalから現地情報の第1報がパソコンに入ってきました。サットパル氏の所感は、This rice variety is a summer crop  variety & it can grow property in summer seasion (April to September). This rice variety needs tempratur is min ,15 degree celcius.(本品種は夏季シーズンの栽培が適している。本品種が生育するには最低気温15℃が必要)というショッキングなもの。
 確かに、上図に示した12月~1月の気温推移から最高気温は20℃前後ではあるものの最低気温は7~8℃と低く、しかもFog(霧)の日が多いことがわかります。ハリアナの冬季の天気は山形で想定していたより厳しかったのです。

 

 

this rice

 

その内容は、nパソkポンハリアナ

(2018年2月 9日 10:15)

立春"庄内平野"

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  青空に映える鳥海山(酒田市松山にて)
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 月山(鶴岡市藤島にて)
                        「玉簾の滝」の氷瀑
 「立春」、暦の上では春を迎えましたが、県内の3日は最低気温が-5~-13℃台と厳しい冷え込みとなりました。雪は大蔵村肘折327cmと3mの大台を超え、西川町大井沢242cm、金山町148cm、尾花沢市163cm、米沢市100cm、小国町167cm、山形市39cm、といずれも平年を上回る積雪となっています。
 しかし、朝の冷え込みは厳しくとも陽が昇るにつれ気温が上がり、近づいている光の春を感じます。冬の晴れ間を見て、立春の庄内平野を撮ってきました。ご覧ください。

(2018年2月 5日 10:11)

インドハリアナ州のあぜ道から(3)

カイタル月別気温.jpg カイタルと山形の気温.jpg
KAITHALにおける月別気温と降水量   KAITHALと山形の気温比較
無題.jpg           濃霧(Deep Fog)の日の気温推移
  1.31カイタル.jpg          1月31日の気温推移
 

 ネットで調べたハリアナ州の気象を見てみよう。KAITHALの月別気温、降水量を山形と比較すると、KAITHALの1月平均気温は13.7℃、山形の4月が10.1℃、そして2月は16.6℃、山形の5月が15.7℃、KAITHALの1~2月の気温は山形の4~5月の気温をやや上回っていることがわかります。山形の4月下旬はかつては水苗代、保温折衷苗代で育苗し、5月下旬には田植をしました。KAITHALは3月に入ると気温は急上昇、4~6月の最高気温は40℃にも達します。このことから、12月下旬に播種し水苗代の水温を温めることで苗の生育を図り、1月中旬に3葉苗を田植え、4月下旬に刈り取りするならば、山形方式の米作りは可能と考えました。
 KAITHALへ脚を踏み入れてこの考えが甘いことに気付く。濃霧(Deep Fog)の頻繁な発生です。1月に入ってから31日まで実に14日間、ほぼ50%の頻度で発生しています。現地で聞くところによれば、12月下旬から1月にかけては頻繁に発生するとのこと。 濃霧の日はもちろん気温は上がりません。このため、ネット上で知り得た気温情報と実際の気温には大きな乖離があったのです。一般に平均気温は(日最高+最低)/2に近い値です。ところが濃霧の日は午後2時ころに霧が晴れると気温は徐々に上昇しますが、日暮れとともに降下します。したがって、最高気温24度、最低気温6℃の日の日平均気温は15℃ではなく、{(24℃×3時間)+(6℃×21時間)}/24=8℃}の気温に近いのでないかと推察されます(上図の赤線)。現地の人が防寒具を着て寒さをしのいでいるのもわかります。雪国の寒さに馴れているはずの私たちにとっても寒かった。この霧が、播種後の苗生育に大きく影響したのです。
 

(2018年1月31日 15:29)

インドハリアナ州のあぜ道から(2)

P1050356.JPG濃霧の中の小麦畑は車を5時間走らせても尽きることはない、その広大さに圧倒される(1月17日 右端の四角い建物はポンプ小屋)
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 西ベンガルで培ったインドでの日本米づくり、気象条件が大きく異なるハリアナ州でもそのノウハウを生かせるのか。新たな挑戦です。 
 ここで、ハリアナ州の農業の一端を紹介しておきましょう。ハリアナ州は北はヒマラヤ地帯、南はデカン高原との間でインダス、ガンジス、プラマプトラ川の流域の大平原、世界最大の沖積平野の北西部に位置しています。年間降雨量が500mm位の乾燥地帯で、元来小麦を主食とする地帯でもあります。そこがインドでもっとも多収の稲作地帯になったのは、1960年代の緑の革命によると言われています。当時、インドは食糧不足に見舞われていました。そこで、政府はハリアナなどの植民地時代に灌漑設備が整備されていた州に資金を集中投入、米、麦の多収品種に大量の化学肥料を施用することで増産を実現したという。
 このことから、ハリアナ州での本格的な米づくりは歴史が浅いのでは、と勝手に推察しています。雨量の少ない乾燥地帯であることから、灌漑がなければ土壌中の塩類が表面に蓄積する塩害地帯でもあるとも言う。土壌が高PH条件であることから、不溶性となる亜鉛を補給して(硫酸亜鉛で25kg/ha)灌漑することで立派な水田になるとも言う。
 ハリアナ州の米づくりの作業は、4月中~5月上旬にかけての小麦の刈り取りを終えた後に始まります。イネの播種は5月中旬、田植えは6月中旬、そして刈り取りは9月中~10月中旬が基本です。KAITHAl での冬期間の米づくりは、生産者にとっておそらく初めての経験でしょう。            


 

(2018年1月30日 11:27)

県内、雪降り続く

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酒米の里金山 白壁づくりの家々も、歩く人も豪雪にすっぽり
(JA金山 長倉氏撮影 25日)

 県内は強い冬型の気圧配置が続き、積雪深(25日)は平年を大幅に上回り、大蔵村肘折は284cm、 全国でトップとなっています。次いで、西川町大井沢が212cm、尾花沢市145cmなどと続いています。
 酒米の里金山も130cmもの雪に覆われ、町のシンボル白壁の家々はすっぽり雪に埋もれ、防寒着姿で歩く人達も寒そうです。この天気、2~3日は続くとか、雪おろしの事故などが無いよう願っています。

(2018年1月25日 12:38)
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