あぜ道日誌

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インドハリアナ州のあぜ道から(29)

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出穂後25日の「はえぬき」
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出来栄えを確認するスタッフ

 9月25日付けで、デヘラドーンの棚田での「はえぬき」の生育状況が送られてきました。D2,D3圃場とも、田植えは7月11日、出穂期が8月30日でした。田植えから出穂まで50日ほど、この間の平均気温は27.5℃、平均気温の積算値1400℃でした。山形の「はえぬき」の積算気温値が1700℃ですから300℃早く出穂した計算になります。分げつ数、草丈、葉数などの栄養成長量が十分でないまま幼穂が早く形成されたということでしょうか。
 登熟は大分進んできました。現地のサットパル氏によれば、10月12日に刈り取りを予定しているとのこと、夏作の「はえぬき」に会えるのを楽しみにしています。


 

(2018年9月25日 12:36)

黄金色に染まる庄内平野

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黄金色に染まる庄内平野を疾走する”いなほ号”

晴れ渡った庄内平野、黄金色に染まった田んぼが広がっています。”特急いなほ号”が鳥海山を車窓に疾走していきます。豊穣庄内なではの秋の風物詩です。

(2018年9月21日 11:13)

アスク社員、恒例のイネ刈りに汗

DSC_1835.JPG              刈り取りを終えて
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 アスクの恒例行事、社員イネ刈りが9月20日に行われました。9月に入ってから雨降りが続いたため、田んぼはいつもの年よりぬからみましたが、いつもながらの和やかな刈り取り光景です。
 今年もおいしいお米を、美味しい酒を醸すお米を届けよう、社員一人ひとりがそんな思いを込めて爽やかな汗を流したひと時でした。
 刈り取りを終え、お昼はもちろん牛肉がたっぷり入った芋煮。間もなく新品種「雪若丸」などの新米が出回ります。山形のお米をご賞味ください。

(2018年9月21日 10:41)

巨大鍋に"里芋3トン煮込む"

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直径6.5メートルの大鍋で3万食分の里芋を煮込む
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 山形の秋の郷土料理”芋煮”を巨大鍋でつくって振る舞う「日本一の芋煮会フェスティバル」が、16日、山形市馬見ヶ崎河川敷でありました。今年で30回目、直径6.5メートルの巨大鍋に、里芋3トン、牛肉1.2トン、ネギ3500本、コンニャク3500枚、しょうゆ700リットル、酒50升を投入したとのこと。鍋からは大きな湯気が晴れ渡った空へ上がり、土手は家族連れらの来場者でびっしり埋まる壮観さ。
 秋が深まるとともに、河川敷は芋煮を楽しむ職場、隣近所、学校などのグループで賑わいます。山形ならではの秋の風物詩です。

(2018年9月18日 10:04)

インドハリアナ州のあぜ道から(28)

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カイタルK3圃場の生育(9月10日)
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 カイタルK3圃場の「はえぬき」は穂が出揃い垂れ始めてきました。葉の枯れあがりも見られず青々とし、登熟は順調に進んでいるようです。また、カイタルとは50kmほど離れているタネ屋さん(Harbir Agro Tech社)で試作している「はえぬき」も穂は出揃っています。
 9月の平均気温は依然として30℃前後が続いていますが、トラブルなくこのまま登熟が進むことを願っています。

(2018年9月15日 12:53)

秋色"酒米の里金山"

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 ”酒米の里金山”、鳥海山の美しい姿が黄金色に染まった里に映えます。いつ目にしても感動する光景です。
 酒造好適米品種「出羽燦々」の穂は重く垂れ、刈り取りが間近なことを告げています。15日ころから、田んぼは再び賑やかになるでしょう。

 

(2018年9月14日 11:18)

山酒4号(玉苗)の圃場巡回

DSC_1748.JPG山酒4号(玉苗)の圃場にて、かほく酒米研究会の皆さん
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山酒4号の穂波が広がる      出来秋を期待して玉苗で乾杯

 初秋のさわやかな風が田んぼを吹き渡る9月11日、酒造好適米品種「山酒4号(玉苗)」の生産者”かほく酒米研究会(奥山喜男会長)”が刈り取り前の圃場巡回を行いました。
 日照不足と降雨続きで登熟はいつもの年より遅れ気味で、圃場によっても登熟進度にバラツキも見られました。それでも、山酒4号特有の黄色の穂波は遠くからでも目立ちます。
 刈り取りは20日頃からになるでしょう。忙中閑あり、巡回を終え、秀鳳酒造場の純米酒”玉苗”で乾杯、出来秋を期待して。
 

(2018年9月12日 15:40)

酒造好適米品種種子田の刈取りスタート

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 久しぶりに爽やかに晴れた9月11日、アスクの酒造好適米品種種子田の刈り取りがスタートしました。8月6半旬からの日照不足、降雨で刈遅れるのではと思っていましたが、例年並みにスタートできました。
 この日刈ったのは早生「はなの舞」、モミはフレコンで乾燥機へと運ばれます。12日は「キヨニシキ」、これから順次「羽州誉」、「龍の落とし子」、「改良信交」、「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」を一日一品種ずつ種子用コンバインで収穫します。
 種子生産を一手に引き受けているのが「この指とまれ」の山口泰弘、平吹正直さん、手掛けて14年目のベテランです。一品種を刈り終えるのは1時何ほどですが、次の品種を刈るためのコンバインの掃除が大変です。機内にたまっているモミ、ワラ屑などきれいに取り除くのに半日近くもかかります。
 両君によって、厳正な種子が生産され、そして生産者の手元に届けられ、高品質の酒米が作られ、酒が造られるのです。 

(2018年9月12日 14:59)

アスク試験田、早生品種の刈取り

DSC_1739.JPGDSC_1738.JPG 9月に入ってからも曇天が続いていましたが、6日は久しぶりの好天。晴れ間に一足早く試験田の刈り取りがスタートしました。刈ったのは、早生の酒造好適米品種の「羽州誉」、「龍の落とし子」、「改良信交」、 「はなの舞」、「キヨニシキ」、「雪化粧」の原原種です。
 この日は最高気温が30℃以上の暑さ、汗びっしょりになりながらも、時折り吹く心地よい初秋の風に一息つきながらの初刈りでした。
 中生の酒造好適米品種「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」は8月末からの日照不足で登熟は少し遅れているようです。試験田周囲の刈り取りは15日以降になるでしょう。収穫を迎える田んぼは再び賑やかになります。

 

(2018年9月 7日 12:07)

県内の水稲作柄「平年並み」

気象経過.jpg20180905123501803_0001.jpg 山形県の水稲作柄概況(8月15日現在)について東北農政局は8月31日「平年並み」と発表。これは、①穂数及び1穂当たりのもみ数が6月中旬の低温・日照不足(気象経過図赤⇒)によって一時生育は緩慢となったものの、6月下旬以降は高気温、多照で経過したことから「平年並み」と見込まれる、②全もみ数(穂数×1穂当たりもみ数)は「平年並み」と見込まれるためとしています。
 また、登熟も「平年並み」と見込まれていますが、8月6半旬の日照時間が平年比4%(山形市)と少なく経過(気象経過図赤⇒)したことから登熟遅れへの影響が懸念されます。
 台風21号は夜中あっという間に通り過ぎ、山形は青い空が広がっています。台風一過、天気が早く回復することを願っています。
 

(2018年9月 5日 13:38)

インドハリアナ州のあぜ道から(27)

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 「はえぬき」を田植えして50日ほど、7月27日、カイタルK3、デヘラドーンD2,D3圃場で走り穂が出たとの写真が送られてきました。穂が田んぼ全体で50%ほど抽出するまで5日間要するとして、9月1日に出穂期を迎えるでしょう。田植から出穂期までの日数はわずか55日ほど。
 山形での「はえぬき」は、田植えから出穂期までの日数は約80日、日平均気温積算値は1700℃です。日数で見ると25日も早い出穂です。一方、日平均気温積算値から出穂まで日数を計算すると1700℃/30℃(日平均気温 上図の気温の推移)=57日となります。カイタル、デヘラドーンと良く一致しています。
 出穂まで日数が短いのは田植え後の平均気温が30℃と高く、それもほとんど変化なく推移しているためです。一株の茎数が山形の1/3程度と少ないのも高温、とくに、最低気温が高いため、分げつの発生が抑制されたと考えられます。
 夏作の「はえぬき」がこうした生育を辿るのは当初から予想されたことです。小さい苗を密植する、肥料をやるなどの対応はしていますが、今後の生育・登熟がどう推移するかもう少し様子を見ましょう。

(2018年8月29日 10:36)

杜氏さん、庄内の「雪女神」を巡回

DSC_1732.JPG 8月25、26日、これまでの猛暑から一転して時折強く降る雨の中、県内の蔵元の杜氏さん、県工業技術センター、アスクの「山形県研醸会酒米研究班」の20名ほどが、庄内地方で作付されている酒造好適米「雪女神」の田んぼを巡回しました。
 「雪女神」は、大吟醸酒の原料米であることから、2.1mm網による選別など、超高品質米の生産が条件となっています。それだけに農家は気を遣いながらの栽培管理に追われます。
 7月の猛暑続きで出穂は早まりましたが、8月が平年並みに経過したことから、高温が品質に及ぼす影響は小さいのでないかと思われます。穂は黄色味を増し重く垂れ、刈り取りが早まることを告げています。
 杜氏さん達が一緒に田んぼを巡回し、イネを見て、穂にふれて、その生育、登熟状況を調査する、この長年の地道な取り組みが、”吟醸王国やまがた”の原動力になっている、そう感じた2日間でした。
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巡回のスタートはアスク試験田から  鶴岡市羽黒にて生育などの状況を聞く
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田んぼに入って、生育・登熟を調査   「雪女神」育成地山形県水田農業試験場にて   

(2018年8月27日 11:21)

39℃、85年ぶりの暑さ

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試験田からの月山の残雪、数日前には見えていたのですが(8月23日)。


 処暑の23日、暦の上では暑さが緩み秋を迎える節というのに、山形は最高気温39℃を記録しました。この猛暑、1889(明治22)年の観測以来8月としてはもっとも高いということです。また、1933(昭和8)年7月に当時としては国内最高気温となった40.8℃を観測して以来85年ぶりとか。
 強い日差しに試験田は一気に黄色味を増したように見えます。暑い中でしたが、試験田の生育調査をしましたので報告しましょう。酒造好適米7品種すべての平均値では、稈長、穂長、穂数とも平年並みとなっています。出穂期が3日早まっていること、残暑が厳しいことから成熟は早まっています。早生品種、羽州誉、龍の落とし子は9月10日前に刈り取り適期になると見込まれますが、厳しい残暑が品質に影響しないことを願っています。
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(2018年8月24日 09:49)

インドハリアナ州のあぜ道から(26)

 「はえぬき」を田植えして約1か月の8月15日、カイタルK3,デヘラドーンD1,D5の生育状況が送られてきました。生育は順調に進んでいるようです。田植え後の気温は最高33℃、最低26℃、平均30℃で推移しています(カイタルより100kmほど離れたPaitialaでの観測データによる。本期間の最低気温は山形の平均気温の推移と類似している)。
 デヘラドーンの棚田には青色の機器が設置されていますが気水温を測定するものでしょうか。後日確認します。現地では、冬作の失敗を繰り返さないため、カイタルの田んぼへはもちろんのこと、カイタルから5時間もかかるデヘラドーンの田んぼに頻繁に足を運び、調査や農家との話し合いをしていることがわかります。この取り組みに「はえぬき」が見事応えてくれることを期待しています。
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(2018年8月16日 12:35)

初秋の月山、青空に映える

DSC_1696 - コピー.JPG              牛首の稜線が青空に映える

 月山の峰の緑、残雪の白、真っ青に晴れ渡った空に映えます。稜線にそよぐ風はもう初秋、汗ばんだ体には涼しさというより、冷たさを感じます。8月12日、月山から眺望した庄内平野、鳥海山の景色をご覧ください。

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   朝日連峰と寒河江ダム        庄内平野と日本海を眼下に
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   鳥海山を遠望             頂上の月山神社(後方左は鳥海山)
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   頂上直下の花畑は夏の終わりを告げるハクサンフウロが咲き乱れる


 

(2018年8月16日 11:26)

試験田の酒造好適米品種、登熟進む

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酒造好適米早生品種、登熟順調に進む

 アスク試験田の酒造好適米品種は出穂期が平年より3日ほど早まったこともあり、登熟も早く、穂波が吹き渡る風に揺れています。試験田周辺の田んぼの穂も色づいてきました。天気予報によれば、お盆中は暑さが戻るとのことですが、稲穂はすでに初秋を迎えています。

(2018年8月10日 10:33)

インドハリアナ州のあぜ道から(25)

カイタル、デヘラドーンで夏作の「はえぬき」を作るには、
①小さい苗、苗丈15cm、苗令3.0に育て植えること(現地苗は50㎝ほど)、
②田植えはラインマーカを使用すること(現地は乱雑植え)、
③猛暑を避けるため、7月20日頃に田植えすること、
の3点を絶対条件とした。
さて、現地から送られてきた画像では、これらの条件は満たされているようである。
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 カイタル、デヘラドーンとも順調に推移すれば、出穂は9月下旬、刈り取りは11月初め頃に迎えると見込まれるが、どう展開するか、期待通りに生育してくれることを願っている。 

 

(2018年8月 9日 10:45)

ヤッショー、ハラショー、ロシアから花笠まつりに

KA4_9003 - コピー.JPG        写真2列目からが「奇跡の花」のグループ
 盛暑の夜に舞う花笠まつり、まつりにはモスクワで花笠おどりに取り組んでいるグループ「奇跡の花」の皆さんも出演しました。グループはおどりの指導を受けた民俗文化サークル四方山(よもやま)会の河合克行会長(弊社社長)との誼みで来形がかなったのとこと。
 一行は本番前に来社、社員手作りの流しそうめん、おにぎり、ナス漬け、スイカなどなど・・・・、山形ならではの旬の味を堪能した後休む間もなく練習。そのスナップ写真をご覧ください。
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(2018年8月 6日 10:38)

置賜管内酒米研究会来社

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来社した置賜管内酒米研究会の皆さん

 暑い!、連日猛暑が続いています。暑い中、山形県南置賜地方の酒米研究会34名が研修会で来社しました。酒米の精米施設を見学した後、弊社の技術顧問谷藤が「酒造好適米品種の特性と栽培について」講演。
 研究会の皆さんは講演に耳を傾けながらも、心中は猛暑続きでの水不足が気になります。「イネは今が一番水を必要とするのに、田んぼの中には地割れするほど干上がっているのもある。一雨欲しい」と一様に話していました。
 山形県の母なる川「最上川」の水量が減少し、今後も雨が降らなければ深刻な状況になることが危惧されています。気象予報によれば、「花笠まつり」の6、7日は雨模様とのこと、ここは恵みの雨を祈るしかありません。

(2018年8月 3日 12:49)

インドハリアナ州のあぜ道から(24)

 試作田インド玄米食味.jpgの「はえぬき」のもみを持ち帰り、品質・食味を調査した。その結果を右表に示す。なお、現地では刈り取り株は直接田んぼで地干し、乾燥後はカラのドラム缶や地面に強く打ちつけて脱穀したためか、もみすりした玄米には砕粒が目立った。

 玄米品質:千粒重はK2,K3で19g、D1,DJ,DFで21gで山形産が22.7gなのに比べ2g近く小さかった。整粒歩合は砕米が多かったこと、とくにK2,K3は熱風害のためか乳白粒も多く極端に低かった。デヘラドーンは砕粒が多かった。
 食味値:玄米タンパク質含量(近赤外分光計 BLテック)はK2,K3では10.4%、9.6%と高かった。デヘラドーン産は平均して8.4%であった。同サンプルをサタケ食味計に掛けたところ、食味値は50~60と低かった。これは玄米タンパク質含量が高いためであろう。炊飯米を食べた感じでは、ご飯にツヤがなく、軟らかかったものの日本米の味であった。
 

 苗づくり、作期、施肥法、栽植密度、水管理、刈り取り期そして乾燥・脱穀・調製などのポストハーベストの改善によっては、山形産”はえぬき”並みの食味値に近づくのでないだろうか。とくに、デヘラドーンの棚田米では。
 7月半ばに田植えしたカイタル産、デヘラドーン産”はえぬき”の出来秋が楽しみである。後日、報告の予定。

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(2018年8月 1日 14:54)

アスク試験田、平年より3日早い出穂期

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 山形も猛暑が続いています。7月31日の山形市の最高気温は36.2℃、今日、8月1日は37℃と予報されています。上の気象図からもわかりますように、7月の平均気温は平年より3.5℃高く(黒線)、日照時間は150%(茶色縦棒)多く経過しました。この暑さで、アスク試験田の酒造好適米7品種全てが平年より3日早く、7月中に穂が出そろいました。8月の気温も高めと予報されています。
 猛暑は一般米では背白粒、基部未熟粒などのシラタ米の発生、酒米では腹白型の心白が多くなり乳白状を呈するなど、玄米品質を低下させます。これを軽減する決め手が出穂後の水管理ですが、一部地域では水不足が懸念されています。一日も早く猛暑が治まることを願うしかありません。

(2018年8月 1日 10:51)

インドハリアナ州のあぜ道から(23)

インド土壌・水.jpg 試作田K1,D1から持ち帰った土壌、地下水の分析をした結果は上表のとおりであった。DSC_1582.JPG
 K1:土壌PHは8.3の弱アルカリ性である。地下水のPHも高く8.3であった。土壌の保肥力の大きさを表すCEC(陽イオン交換容量)は8.1と低かった。また、土壌および地下水中の塩分は微量が検出されたがイネの生育には問題はないと考えられる。
 (注1)土壌がアルカリ化すると鉄、マンガン、亜鉛などが不可給化し欠乏症が発生。また、リン酸の可給性が低下し欠乏症が発生する。山形県の水田土壌は6.0~6.5
 (注2)日本での農業用水のPHの基準は6.0~7.5
 (注3)日本における農業用水(水稲)の塩分濃度は、移植~分げつ期前半で300mg(塩素イオン)/Lである。
 (注4)K1土壌のCECの値は日本では砂丘未熟土のCEC3~10に相当する。一般に水田土壌のCECは灰色低地土15~25、褐色低地土15~30、多湿黑ボク土30~40.。CECが低い土壌では、一度に施肥すると土壌に吸収されない養分が発生するので、1回の施肥量を少なくして分施する。

 D1:土壌PHは6.2で適値であるが、CECは5.6と低かった。

 カイタルの土壌、地下水の塩分はほとんど問題にならない濃度であったが、ともにPHが高いことから、鉄、亜鉛などの微量要素の欠乏症が懸念される。また、K1、D1ともにCECが低いことから、追肥回数を増やすなどの施肥が効果的と思われる。本分析結果は、1か所の少量サンプルからのものであり、さらに再分析が必要である。
 (持ち帰った試作田K1,D1の土壌で育苗した結果では、両土壌とも苗の生育に異常はみられなかった)。

(2018年7月30日 10:50)

酒造好適米の早生品種、穂出揃う

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 田んぼに照りつける太陽、暑い日が続いています。この暑さで、アスク試験田の酒造好適米早生品種は穂が出そろいました。平年より、美山錦が2日、羽州誉が2日、龍の落とし子が2日早い出穂です。中生群では、雪女神が27日出穂期となり、出羽燦々、山酒4号(玉苗)、酒未来が28~29日、出羽の里は少し遅れて30~31日と見込まれます。いずれの品種も2~3日早まるようです。
 出穂が早まることは、出穂後の猛暑に遭遇する期間が長くなるため、年によっては品質・収量、とくに品質にはマイナス要因ともなります。気象予報によれば今後一週間の気温は最高33~35℃、最低24℃で経過するとのこと。早い出穂と、猛暑が酒米品質にどう影響するのか、気になります。
 

(2018年7月27日 13:51)

第10回雄町サミットを楽しむ

①雄町サミット.jpg 優等賞の一部の銘柄①.jpg
後援者挨拶をする弊社河合社長  歓評会優等賞受賞酒
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 酒造好適米”雄町”、主産地である岡山県がこのたびの豪雨により大きな災害を受けたことに心からお見舞い申し上げます。
 この災害を乗り越えよう、との心意気をも込め、生産者、JA全農岡山、岡山県酒造組合、酒造会社、アスク、そして雄町の酒を愛する「オマチスト」が一堂に会し、第10回雄町サミットが7月24日東京で盛大に開催されました。
 今回は全国131の蔵元から206の雄町酒が出品・審査され、うち吟醸酒の部で28、純米酒で14銘柄が優等賞受賞に輝きました。
 アスクは雄町の栽培中心地である岡山県赤磐市赤坂地区の品質を毎年調査し、品質向上の一助を担ってきました。その縁もあって、赤坂雄町研究会(岩藤英彦会長)の皆様とは顔なじみとなり、雄町が醸す酒を酌み交わし、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
 150年も前に誕生した雄町、丈が長く作りにくい生産者泣かせの雄町、その米作りに汗する研究会に改めて敬意を表します。災害に負けず、今年もまた高品質の雄町を作ってください。期待しています。

 

(2018年7月26日 11:19)

インドハリアナ州のあぜ道から(22)

DSC_1440 - コピー.JPG  デヘラドゥーンの雨季の降雨量はインドではもっとも多い。6~11月の稲作期間は水不足の心配はないという。ならば、夏作に期待し、田んぼに集まった農家とミーテイングを行う。山里の農家の佇まいは、ハリアナ州や西ベンガル州で見てきた農家とは違っていた。小奇麗な庭には鉢植えの花々が置かれ、緑濃いマンゴーの果実ががたわわに実っている。
 まずは棚田での米づくりを話してもらう。
①6月20日に播種。苗代は水苗代。湛水して播種し、3日後には落水し7日間は乾かす(芽干し)。その後は、湛水と落水を繰り返し22~28日間育苗する。
②7月10日に田植え。無肥料で栽植密度は15×20cm、栽植本数は2~3本。田植え後1か月間は水を3日に1回入れ替える。ネムの木の皮を虫よけに入れて除草。60日後からは1週間に1回ほど水を入れ替える。追肥はしない。
③9月20~30日に出穂。出穂後は飽水管理。
④10月20日頃刈り取り。刈り取り後は麦を播種。
 施肥法、病害虫防除、除草法は山形方式とは全く異なるが、水管理はほぼ同様である。そして、これらの作業日程がメモされており、そのメモに見ながら話してくれたことには感心した。
 現地は播種、代掻きが始まったばかり、耕起・代掻きは”牛”、田植えは”手”、稲刈りは”鎌”、脱穀”?”、などなど手作業が中心のコメづくりではあるが、彼らならば夏作の「はえぬき」を育て上げてくれるであろう。

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水苗代の水管理(畦畔に穴をあけて落水)  牛2頭で代掻き

(2018年7月23日 10:56)

アスク試験田(酒造好適米品種)の生育状況(7月20日現在)

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生育(7月20日).jpg 生育図(7月20日).jpg
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 猛暑が続いています。上の気象図からも7月の平均気温は平年より格段に高く推移していることがわかります。(図中黒線)。この暑さ、今月いっぱいは続くとのことですが、田んぼを吹き渡る微風にそよぐ稲葉には涼しさを感じます。7月20日現在の生育状況を次の通りです。
 酒造好適米品種の総平均値で草丈は平年比101%、茎数99%、葉数は平年差0.0、葉色0.5で、生育は平年並みとなっています。
 極早生「はなの舞」、「五百万石」は出穂始め、昨年並みの早さです。来週に入ると、アスク試験田の酒造好適米品種は次々と出穂を迎えるでしょう。

(2018年7月21日 11:48)

インドハリアナ州のあぜ道から(21)

DSC_1406 - コピー.JPGウッタラ-カンド州の州都デヘラドゥ-ンから車で1時間ほど、棚田が広がる
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 ハリアナ州の冬作のショックを受けながら、次の試作地デヘラドゥ-ンへ向かう。カイタルから車で北へ5時間ほど、デヘラドゥ-ンはウッタラ-カンド州の州都で人口60万という。州都から車で1時間、山間部の樹林を抜けると、そこには一面の棚田が広がる。
 「はえぬき」の試作田は生産者の家の真ん前の棚田を見下ろすところにあった。黄金色に熟れた穂が小雨に濡れている。ほこりが舞うカイタルの田んぼの様相とはだいぶ異なる。
 田んぼに入り、稲株を握ると、丈は60cm、穂数は10本ほど、首いもち病が若干みられるが熟色は良好だ。集まった村人に山形流の稲刈りを披露。これならば冬作は可能か。
 安心するのは早い。天水栽培のため、乾季の冬は山から棚田に水は注がれることはない。「試作ということで、代掻きや田植えの水3000リットルを荷車で運んだ。また、苗づくりは霜で失敗した。田植えした苗は、サットパル氏がカイタルでトレーで育苗したものだ」、とは生産者の声。一難去ってまた一難である。
 

(2018年7月18日 11:05)

インドハリアナ州のあぜ道から(20)

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カイタル農家の水苗代              種苗会社の水苗代

 カイタルの田植を控えた水苗代は湛水されていない。農家に聞くと、播種と苗取り時には湛水するがその時以外は湛水しない。 冬作の苗づくりは温かい地下水で保温することが必須条件と思っていたが、現地の苗づくりでは湛水すると苗の生育に障害が出るという。
 一般に、水苗代の水管理は、出芽時に芽干しといって一時落水するが、その後は湛水と落水を繰り返す。低温時には湛水して苗を保温する。西ベンガル州の苗代は湛水されていた。後述するデヘラドンの棚田の農家も苗代は湛水と落水を繰り返すと語る。ハリアナ州ではなぜ苗代に水をいれないのか?。塩害と関係するのだろうか?。
長くなるが次の文献を引用する。
 ★池橋 宏 :インド・スリランカの稲作(農業及び園芸62巻)
「インド北西部ハリアナ、パンジャブ州の一帯は年間の降雨量が500mm位の乾燥地帯であり、灌漑がなければ土壌中の塩類が表面に蓄積する塩害地帯である。この地方は、元来小麦を主食とする地方である。ところがヒマラヤを水源とする灌漑網は独立後目覚ましく発展し、インドではもっとも多収の稲作地帯となった。乾燥地帯の塩害地でも、石膏を施用して土壌塩類を矯正し、高PH条件で不溶性となる亜鉛を補給して(硫酸亜鉛25kg/ha)灌漑すると次の年から立派な水田となる。・・・・・・内陸部のアルカリ土壌地帯の塩害の発生には水の滞留と密接な関係があり、雨の多い年にはかえって塩害が多発する。もっとも広く分布しているのがリン酸欠乏である。乾燥地帯の新興の灌漑稲作地帯では、高PH条件で、リン酸はcaと結合されるので制限因子となる。亜鉛欠乏対策も必要である。」
 ★北村裕道 :インド農業における水事情と課題について(ARDEC 38号 2008年)
「インド農業にとって灌漑は大きな役割を果たしているが、その主流となっているのが地下灌漑である。緑の革命が始まった当初は地表水を使った灌漑が中心であったが、現在、地下水灌漑が全灌漑免責の半分以上を占める。地下水灌漑が急速に普及したしたのは大規模灌漑事業がなかなか進まないことに比べ、地下水灌漑が投資額が少なく、個々の農民が積極的な導入を図ったことによる。・・・・・・この結果として、水資源に乏しい半乾燥地域での過剰揚水、地下水枯渇という事態が発生し、農業生産に深刻な影響を与えつつある。」
 ★草野拓司 :近年のインド農業の動向(カントリーレポート 第7号 農林水産政策研究所)
「コメの主産地であったパンジャブ州やハリヤナ州での地下水低下や塩害の問題から、インド政府は、他地域における増産の可能性を探っている。特に注目されているのがインド東部のビハール州、チャッティ-スガル州、ジャールカンド州、ウッタル・プラーデ-シュ州、西ベンガル州・・・・・・」
 ★藤田幸一 :インドにおける農政・貿易政策決定メカニズム(京都大学東南アジア研究センター)
「地下水の枯渇について若干敷衍するならば、パンジャーブ州の灌漑の75%は地下水に依存している。地下水の過剰な汲み上げにより、地下水は緩やかながら着実に低下しており、より深い地下水のくみ上げになっている。パンジャーブ州では一般に、地下水位が450フイート(135m)以下に低下すれば、塩分濃度の高い地下水となり、農業には適しなくなる。したがって、灌漑に適した地下水の枯渇は、思ったより早くやってくるかもしれない。この問題は、特に要水量の多い稲作において深刻であり、・・・・」。

 
 カイタルの米生産者の地下水の深さは200~700メートルにも達するという。そして、生産者との打ち合わせの中で、現地の指導者サトパル氏からは衝撃的な発言が。「ハリアナ州は冬期間の地下水のくみ上げ禁止を半月前(5月下旬頃)に決定した」 。この一言でカイタルでの冬作は事実上不可能になった。

(2018年7月17日 12:16)

5年目を迎えた復興支援への酒米づくり

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青田を巡回(前列右から二人目が蔵元の鈴木さん)   作溝した出羽燦々の田んぼ

 福島県浪江町から山形県長井市へと移転した蔵元、鈴木酒造店長井蔵が地元の米生産者と酒米づくりに取り組んで5年目になります。7月13日、蔵元、生産者、アスクが酒造好適米「出羽燦々」、「出羽の里」、「亀の尾」の青田巡回をしました。この日は暑さも一服、朝日連峰から注ぎ込む清冽な水の流れに一層涼しさを感じます。
 酒米作りを手掛けて5年、中干し中の田んぼの生育はそろっています。草丈、茎数、葉色を調査し、お互いの田んぼの生育を見比べながら、穂肥の時期などを語り合いました。
 生産者と蔵元との強い絆で育まれる酒米、今年もまた芳醇な酒を醸してくれるでしょう。
 

(2018年7月13日 13:01)

"ゆびきりげんまん"酒米田巡回

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鳥海山を背に
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 JAもがみ中央の酒米研究会”ゆびきりげんまん”(代表 指村貞芳さん)が10日、恒例になっている青田巡回を行いました。この日、生産者14名、JA,アスクの関係者総勢20名が軽トラを連ね、酒造好適米「出羽燦々」、「美山錦」、「雪女神」の田んぼを見て回り、穂肥(出穂前25~20日の追肥)の適期を診断し合いました。
 中干し中の田んぼに入って、草丈、茎数、葉色の測定、幼穂の確認をします。これらの調査を生育診断と呼んでいます。大粒で低タンパクの酒米づくりにはこの診断は欠かせません。
 診断の結果、「出羽燦々」の草丈は平均64cmでやや長め、葉色(SPAD値)は39で指標並みであることから、穂肥はN成分で1.5kg/10aを7月13~15日頃に施用することにしました。ただ、中干しに入ってから強い雨が降ったこともあり、ぬかるむ田んぼもみられました。中干しの期間は長引きそうです。
 ゆびきりげんまんが酒米づくりを手掛けて9年目、メンバーの一人は県酒米コンテスト「美山錦」の部で知事賞を受賞するなど、品質は着実に向上しています。
 大汗をかきながらの青田巡回、その直会が大いに盛り上がったことは言うまでもありません。

(2018年7月12日 11:22)

アスク試験田(酒造好適米品種)の生育状況(7月10日現在)

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 7月10日現在の生育状況は次のとおりです。
 酒造好適米7品種の総平均値で草丈は平年比105%、茎数101%、葉数は平年差-0.3、葉色は-0.6で、平年並みの生育となっています。中干しで稲体はガッシリと締まり、9日には穂肥を施用しました。
 7月上旬の気温は平年より3.5℃も高く経過した(気象図の黒線)ことから、出穂期はやや早まるのでないか、と予想されます。

(2018年7月12日 10:25)

インドハリアナ州のあぜ道から(19)

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熱風被害を受けたK2圃場  下葉が赤枯れ症状のK1圃場(左の作物はとうもろこし)
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生産者から感想を聞く。 「はえぬき」の栽培法を講義する田中農産研究所所長

 1月には見渡す限り広大な麦畑であったところにK2圃場があった。田んぼを遮るものはなにもない。風上側は、ワラ色に枯れ上がり、穂は出すくみの状態、熱風害だ。風下側は辛うじて収穫を望めるだろう。そしてK1圃場、隣接のとうもろこしは生育旺盛なのとは対照的に、「はえぬき」の下葉は赤枯れし、ここは収穫皆無に近い。
田植の遅れや熱風に遭遇したとしても、これほどの生育不良、登熟不良になったのはなぜだろう。急遽、生産者の皆さんに集まってもらい、「はえぬき」を栽培した感想を聞いた。田中所長のメモによれば
① 1月は低温のため育苗は不可、2月からは可能。
② 本田管理は、田植え後の湛水、熱風時の灌水などバスマテイ稲と同じである。
③ 生育不良の要因には塩害もある。
塩害?、パンジャーブ州、ハリアナ州では半乾燥地帯のため塩害が問題となっているという資料を読んではいたが、生産者から初めて聞いたことはショックであった。

 

(2018年7月 6日 14:26)

圧巻の滝に涼しさ満喫

 

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 7月に入ったばかりなのに山形は連日最高気温35℃前後の猛暑が続いています。涼しさを求め、滑川大滝へ行ってきました。山形県には、落差5m以上の滝が230か所もあり、日本一の滝王国とされています。その代表が、米沢市大沢の滑川大滝です。日本滝百選の名瀑です。
 奥羽本線峠駅から徒歩1時間で滑川温泉、そこから約1時間、沢を渡り、急坂な山を登り、下った先に80mの見事な滝が姿を見せます。巨大な岩肌を滑り落ちる水煙は圧巻です。汗を流した人だけが満喫できる涼しさです。

(2018年7月 4日 11:27)

インドハリアナ州のあぜ道から(18)

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「はえぬき」の試作圃場の生育状況は、現地からパソコンに逐次送られてくる写真で確認はしていましたが、いざ、現地に足を踏み入れると、写真で想像していた生育状況とのギャップの大きさにびっくりしました。その要因の一つが、苗生育が濃霧による低温のため遅れたこと、二つ目が、田植え時期が2月下旬へとずれ込み、出穂期が5月中旬になったこと、三つ目が、出穂後から登熟期にかけて最高気温40℃以上の高温が続き熱風害を受けたこと、などが考えられる。((注):当初予定していたのは、1月中旬田植え、4月中旬出穂、5月中旬刈り取り)。カイタルの現地圃場3か所の中ではK3が最も良いとのことで、まず向かったのがK3圃場、以下、その概要です。
 K3圃場は木立と小屋に囲まれている。木立が熱風を遮ったとのこと。それでも「はえぬき」の成熟期の姿、一目見て可哀そうである。熟色は黄金色というよりは薄茶色に近い。稲体は枯れあがり、わずかに緑の葉を残す株が入り混じる。バスマテイの漏生とみられる株も散見されるが稔ってはいない。
 田んぼに入って鎌を入れると株元からは土埃が舞い上がる。現地では刈り取った株は地面に並べてモミを乾燥する。束ねるという習慣はない。そこで、山形流のイネ刈りを披露するが、田んぼはカラカラに乾いているので、地面に置いただけでモミは乾くであろう。モミ水分は20%ほどか。モミ収量は400kg/10aと見込んだが。
 刈り取り中、稈の根元が腐れているのがあり、同行しているシャルマン博士に聞いたところ、”刈り取り期近くになると腐れる病気である”。”Fusarium”とメモしてくれた。薬剤を散布で防げるとのこと、でも気にかかる。
 刈り取ったイネの脱穀はどうするのか?と聞いたところ、ドラム缶を持ってきて、それに稲束を力いっぱい打ち付けた。確かに脱穀は可能であるが、「はえぬき」はインドのイネとは異なり脱粒しにくい。少量ならいざしらず大量ともなるとドラム缶による脱穀は実行不可能であろう。それに打ち付けることで玄米は砕ける。現地での収穫はイネ・ムギ用の汎用型コンバインで刈り取り、収穫したモミは直接精米工場に運ばれるので、農家は脱穀機などの小型の農機具は所有していないと思われる。「はえぬき」用の脱穀機が必要だ。新たな課題に頭を抱え、K2圃場へと向かう。

 

(2018年7月 2日 14:33)

猛暑の中、"作溝作業"

DSC_0007.JPG残雪の月山が田んぼの緑に映える(7月1日 天童市寺津にて)
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 山形は6月29日の最高気温37.5℃、30日33.8℃、7月1日34.9℃、そして今日と明日は35℃、34℃と予報されています。とにかく暑い。この猛暑の中、この指とまれの山口、平吹さん達は作溝作業に汗を流しています。
 稲の生育は一段と緑が濃くなり、逞しくなってきました。葉の数は9枚目、茎の数は最高に達しています。これから生まれる茎は穂を着けない”無効茎”となります。無効茎の発生を抑え、根の健全な生育を促すために行うのが”作溝・中干し”です。田んぼにたまっている水を落とし、何本かの溝を掘ります。これを”作溝”と呼んでいます(写真上)。田んぼは小ヒビが入るくらいに10日間ほど乾かします。”中干し”です。中干しで、稲体は黄色味を帯びて硬くなり、根は深く伸びます。
 作溝・中干しは稲の生育を健全にするだけではありません。9月の刈り取り時にも田んぼが良く乾き、コンバインの走行に効力を発揮します。作溝作業は、”転ばぬ先の杖”でもあるのです。

(2018年7月 2日 10:21)

アスク試験田(酒造好適米品種)の生育状況(6月30日現在)

DSC_1505.JPG              作溝を終え、中干しに入った試験田

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 29日の山形県内は気温がぐんぐん上昇し、山形市では最高気温が全国トップの37.5℃を記録しました。30日も最高気温33℃と予報されています。その暑さの中で試験田の生育調査を してきました。その結果は次の通りです。
 酒造好適米7品種の総平均値で、草丈は平年比96%、茎数は平年比102%、葉数は平年差-0.3葉で、遅れ気味だった生育は回復し、総じて平年並みとなっています。
 29日には試験田の作溝を終え、これから10日間ほどは田んぼを干す中干しに入ります。
 

 

(2018年6月30日 10:57)

最上農業賞受賞を祝う

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                              開宴に当たってあいさつする松澤会長

 JA金山酒米研究会(会長 松澤信矢)が、”酒米の里金山”のブランド化、酒米づくりでのグローバルGAP団体認証などが評価され、昨年の11月、栄えある最上農業賞を受賞しています。受賞式で松澤会長は「・・・・・タンパク質含量を念頭に置いた栽培や大粒生産のため、G網(2.0mm)からA網(2.1mm)への切り替え、登熟を良くするためのケイ酸資材の投入など、・・・・・”ギャップってなんや”から始まって、”なんぼ高く売れるなや”、”ほんだぁめんどうくさい”と言われながら、当時酒米づくりでは唯一というグローバルGAP認証にこぎつけました・・・・」と述べています。
 その祝賀会が26日開かれました。田んぼの作業が一段落した会員の皆さんは、日に焼けた顔をほこらばせ盃を交わしながらの酒の話題はもっぱら生育状況です。田んぼのワキが早く、作溝・中干しを例年より早く行っていることなどなど。
 受賞を機に、酒米研究会の皆さんは、気持ちを新たに高品質の酒米づくりに取り組むことを誓い合った会でもありました。研究会が作付する酒造好適米「出羽燦々」、「出羽の里」、「雪女神」、「美山錦」、30年産も高品質米間違いないでしょう。

(2018年6月28日 11:16)

インドハリアナ州のあぜ道から(17)

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 6月14日~18日にかけて、インドハリアナ州カイタルとウッタラーカンド州のデヘラドウーンで育てられている「はえぬき」に会いに行ってきました。今年に入って渡印したのは1月に次いで2度目です。1月のハリアナ州の広大な麦畑は、水田へと切り替わっています。カイタルへ向かう車窓からは、40℃の気温と視界を遮る濃霧(?)のようなどんよりとした空の下で、大勢の女性が長い苗を手にし田植えする光景を目にしました。
 現地で生育する「はえぬき」、これまでは送られてくる写真でその状況を確認してきました。今回、成熟期の姿を目の当たりにし、現地での栽培法、水と土壌など、今後クリアしなければならない多くの課題にも直面しました。
 その概要について、本ブログで数回にわたって逐次紹介しましょう。

(2018年6月26日 11:30)

"さくらんぼ祭り"賑わう

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賑わう七日町通り           二人仲良くハートめがけてタネ飛ばし
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店頭に並ぶ”佐藤錦”           さくらんぼ娘が勢揃い

 今が旬の味”さくらんぼ”、で山形の魅力を発信する「さくらんぼ祭り」が、23~24日、山形市の目抜き通りで開催されました。「流しさくらんぼ」、「タネ飛ばし」、「ご当地グルメの販売」など、多彩なイベントが繰り広げられ、大勢いの人でにぎわいました。県外からも連日多くの観光客が訪れています。”さくらんぼ”に輝く山形へおいで下さい。
 

(2018年6月25日 10:28)

山形産"さくらんぼ"旬を迎える

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 梅雨の晴れ間、爽やかな空にさくらんぼのルビー色が映えます。この時期、旬を迎えた山形名産”さくらんぼ”、地元では”おうとう”とも呼ばれています。山形市郊外の園地では高級品種”佐藤錦”の摘み取り、選別、箱詰めなどの作業に追われています。佐藤錦に続いては”紅秀峰”の摘み取りです。枝もたわわに赤く輝くさくらんぼは、山形ならではの原風景です。  

(2018年6月22日 13:55)

アスク試験田(酒造好適米品種)の生育状況(6月20日現在)

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 アスク試験田(酒造好適米品種)の6月20日現在の生育状況は次の通りです。7品種の総平均値で、草丈は平年比95%、茎数は同94%、葉数は平年差-0.5葉で、平年の生育よりやや小さめとなっています。その要因は、試験田の田植えが例年より4日遅かったこと、6月10日に梅雨入りし、その後は気温2~3℃低め、日照時間も低く経過したことなどが関係していると思っています。  
 当面の対策は作溝と中干しです。作溝・中干しは、土中からの窒素の発現を抑えることで、穂を着けない茎(無効分げつ)の発生を防ぎ、根をガッチリ地中深くまで伸ばすなど、収量と品質アップには欠くことができない作業です。例年なら6月第6旬頃に行いますが、試験田ではもう少し茎数が増えてからと思っていますので、少し遅れるのでないでしょうか。

(2018年6月20日 15:30)

インドハリアナ州のあぜ道から(16)

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 インドハリアナ州カイタルから100kmほど北のPatialaの3月第1半旬から6月第2半旬までの気温の推移をご覧ください。最高気温は、5月第3半旬に入ると40℃以上に突入、5月26日は45℃を記録しています。6月に入ると、この暑さは少しは治まりましたが、それでも連日35℃以上です。
 6月14日、暑い、暑いカイタルを訪れます。「はえぬき」の生育(K1,K3)を写真ではなく、目で、手で確認するためです。なお、今回はカイタルよりさらに北の山間部シワリク丘陵のデヘラドーン(Dehra Dun)の「はえぬき」(D1)の調査も行います。ここは棚田が広がり、日本の原風景を髣髴させる地とのこと。
 次回は、写真ではなく、目の当たりにした「はえぬき」の姿を再び紹介しましょう。

(2018年6月12日 10:48)

アスク試験田(酒造好適米品種)の生育状況(6月10日)

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 5月19日に社員が田植えしたアスク試験田(酒造好適米品種)の6月10日現在の生育状況は次の通りです。草丈は対平年比104%、茎数は同95%、葉数は平年差-0.2で、総じて平年並みとみられます。
 田植え後の気象は、平均気温で2.0℃高く、積算日照時間も114%と高めで経過しました。6月10日には梅雨入り、平年より2日、去年より20日も早く、台風5号の影響でここ数日は不順天候が続くとのこと。
 生育はこれからの気象経過に大きく影響されます。生育調査は10日ごとに定期的に実施し、その結果は酒米の作柄情報として、早くタイムリーに本ブログから流します。ご活用ください。

(2018年6月11日 11:05)

インドハリアナ州のあぜ道から(15)

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     調査するサトパル氏(5月19日来社し試験田の田植えをしました)

 6月7日、カイタルから「はえぬき」の登熟状況が送られてきました。カイタルは6月に入ってから、気温が最高38℃(6/1~6/5平均)、最低25℃、平均32℃ほどの猛暑が続いています。5月下旬の最高気温43℃からみれば少しは低く推移しているようですが。
 前回(5月29日)紹介した写真と比較すると、穂は垂れ、葉は緑から黄へと褪色してきたことがわかります。試作圃場間でのバラツキは依然として大きいものの、刈り取りが近い圃場もあるようです。
 6月15~17日、カイタルとデヘラドーンの「はえぬき」と会い、登熟調査と刈り取りをする予定です。その状況は後日報告します。

(2018年6月 7日 10:44)

"さくらんぼ"色づく

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 山形の6月の風物詩と言えば”さくらんぼ”、生産量全国一を誇るさくらんぼが間もなく旬を迎えようとしています。さくらんぼは雨に弱いことから、木には一面にビニールテントが張られています。テント内の果実は黄色から赤くなりつつあります。10日もすれば、真紅のルビー色になるでしょう。
 さくらんぼを車窓に走るのがJR左沢線、地元では”ザワ線”の愛称で親しまれています。残雪の月山を背景に、植え終えたばかりの苗の緑、そして陽を反射して輝くテントにトレードマークの青い車体が映えます。
 さくらんぼ一色になる山形へ是非おいで下さい。

(2018年6月 5日 12:06)

(2018年6月 5日 12:06)

休む間もなく大豆の播種作業

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 この指とまれの山口泰弘さん、平吹正直さんは、田植えが終わりほっとする間もなく、大豆の播種作業に追われています。この日(6月4日)の最高気温は31.4℃を記録、転作田では数台のトラクタがフエーンの風に土煙を上げています。
 転作用作物として昨年まではソバが主流でしたが、本年からは全面的に大豆を作付するとのこと。品種は「里のほほえみ」、本品種は東北農業研究センターで育成された東北南部に向く大粒で、ダイズモザイクウイルスに強く、さらに豆腐用の高タンパクの特性をもっています。
 作業は共同で行われ、播種後はブームスプレーヤで除草剤を散布します。6月初めなのに真夏のような炎天の下で、日に焼けた顔の汗を拭きながら作業が続きます。

(2018年6月 5日 10:16)

"酒米の里"輝く

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雄大な鳥海山が田んぼ水鏡に映える
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酒造好適米品種の選抜圃場  JA金山酒米研究会松澤会長の出羽燦々
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白壁と杉板張りの家並みと町内の中心部を流れる大堰

 ”酒米の里金山”、朝霧が晴れ残雪の鳥海山が田植えを終えた田んぼに、その雄大な姿を表します。水鏡に逆さ鳥海を映して。いつ訪れても見飽きすることがない山里の田園風景です。そして、一歩町内に入ると、石堤を流れる山水に鯉が泳ぐ大堰、白壁の家並が青空に映えます。
 JA金山酒米研究会の今田政男さんの田んぼには、県水田農業試験場が育成中の酒造好適米品種・系統の苗が植えられています。本県の酒造好適米品種「出羽燦々」、「出羽の里」、「雪女神」はこの田んぼで試験が繰り返され誕生しています。酒米づくりに適した田んぼと美しい風景は、今年もまた芳醇な酒を醸してくれるでしょう。


 

(2018年6月 4日 10:42)

「はえぬき」・「つや姫」・「雪若丸」仲良く

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山形県農業総合研究センターにて(5月30日) 

 早いもので今日から6月、県内の田植えは終わり、苗の新葉が田んぼを吹き渡る風にそよいでいます。
 初夏の陽気に誘われるまま、山形市西郊外に立つ山形県農業総合研究センターを訪れました。田植が終わったばかりの試験田には、品種名や施肥法などの試験名を記したたくさんの白いラベルが立ち並んでいます。それらの中には、今山形県が力を入れている良食味米品種「雪若丸」を真ん中に、兄の「はえぬき」と姉の「つや姫」と仲良くく並んでいるほほえましい場面があり思わず一枚。そして先ほど行われたIWCSAKE部門で話題となった本県の酒造好適米品種「出羽燦々」、「出羽の里」、「雪女神」も。
 これら品種の特性の違いは8月初めの出穂頃までははっきりしませんが、出穂期を過ぎると丈の長さや穂の形など、立毛の姿に明瞭な品種特性が出てきます。本ブログで後日紹介しましょう。

(2018年5月30日 12:03)

インドハリアナ州のあぜ道から(14)

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 5月29日、カイタルから出穂後の登熟状況が送られてきました。カイタル近郊の気温は、5月下旬に入って最高気温が43℃(5月21~29日平均)、最低気温が25℃の猛暑が続いています。ただ気温が高くとも湿度が30%前後、カラットした天気なのでは?。
 その暑さの中で、「はえぬき」は頑張っています。穂は垂れ下がり、D-1圃場は黄色味を帯びてきました。しかし、試作圃場間でのバラツキが大きく、圃場によっては暑さのためか葉先が白く枯れあがっているのも見受けられます。
 「はえぬき」や「コシヒカリ」など多くの日本稲の品種は、出穂後40日間の登熟期間の平均気温が26℃以上の高温条件で登熟すると、玄米が白っぽくなる白未熟粒が多発すると言われています。カイタルではどんな品質になるでしょうか。気になります。
 

(2018年5月30日 11:00)

水鏡に映える

DSC_1211 - コピー.JPG屋敷林に囲まれた散居集落が初夏の陽に映える(飯豊町)

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ヒメサユリ咲く棚田(朝日町椹平)    朝日連峰が映える(朝日町大谷)
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 県内の田植えはほぼ終了、田植機や軽トラが行き交った田んぼは今静まりかえっています。空の雲、山々が田んぼの水かがみに映え、美しい景観を形成しています。米どころ山形ならではの初夏の風物詩です。                                        

 残雪の月山(天童市寺津)



 

(2018年5月28日 10:57)

新葉、澄み切った空に

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澄み切った青空と残雪の月山(アスク試験田より 5月22日)
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5月14日に植えた種子田の苗は活着(5月22日)

 ここ数日、山形の空は真っ青に晴れ上がり、残雪の月山が姿を見せ爽やかな日和に恵まれています。この天気の下で田植えは急ピッチに進み、この指とまれの平吹正直さんの田植えは今日で終わりとのこと。雪解けを待ってのくろぬりに始まり、播種、耕起、代掻き、そして田植えと休むことがなかった約2か月間、ご苦労様でした。
 アスク種子田に植えた苗は根付き、新葉が澄み切った空に向かってピーンの立っています。活着です。間もなく、親茎から子茎が出てきます。これを分げつと呼んでいます。分げつの発生を促すため、水管理は低温の日は深水に、好天の日は浅水にし水温を調節します。ひ弱だった幼苗は、日に日に逞しく育ってゆきます。

(2018年5月22日 10:53)

インドからの来客迎え、アスク恒例の田植え

平30田植え1 - コピー.JPG                 田植を終えて、
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田植に当たって河合社長から激励の言葉  田植えのやり方のコーチを受け田んぼへ
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ラインを踏まないでとの注意を受けながら  手作りの田植定規に関心

 5月19日、アスク恒例行事の社員による試験田の田植が行われました。夜来から強い雨が降り続いていましたが、日ごろの精進のたまもの、朝方には青空が広がる天気に恵まれました。
 田植には、本ブログ(インドハリアナ州のあぜ道からシリーズ)で紹介しています、インドハリアナ州カイタルからサトパル氏(チーフ テクニカルアドバイザー)、ニューデリーからシャルマン氏(病理学博士)、通訳のラージ氏の3名が飛び入り参加しました。この田植えを放映しようとNHKも駆けつけるなど、大変賑やかな田植え風景となりました。
 河合社長の激励の言葉を受け、スタートは片言の英語を交え、手真似で田植えのやり方を説明してから。試験田に植えたのは、酒造好適米品種「羽州誉」・「龍の落とし子」・「山酒4号(玉苗)」・「酒未来」・「改良信交」・「酒の華」などの原々種です。タネの生産ですから、他品種とはコンタミしないよう、インドの方にもわかってもらい一本ずつ丁寧に植えてもらいました。 試験田にはタネ以外に、山形県の酒造好適米品種「美山錦」・「出羽燦々」・「出羽の里」・「雪女神」などの生育、収量、品質を調査する「酒造好適米品種特性比較試験」も設置されています。
 社員とインドの方と一緒に植えた苗は5日ほどで根付き、7月下旬から8月上旬にかけて出穂、9月中旬には収穫を迎えます。その間4か月、品種の特性を維持するための観察と調査を行います。また、品種特性比較試験では6月10日から生育を、収穫後は収量、品質を調査し、それらのデータは酒米の作柄情報として本ブログから逐次流します。ご活用ください。
 田植は2時間足らずで終了、試験田に立つ「米の山形酒の国」の看板をバックに全員で決めポーズ。今年もまた出来秋を迎えられますよう。

(2018年5月21日 10:17)

インドハリアナ州のあぜ道から(13)

インド生育(5月15日).jpg 5月15日現在の生育状況の写真が送られてきました。出穂している株が前回の10日よりは増えていますが、試作圃場での生育ムラが依然として目立ちます。また、気温が高い影響で葉先が焼けている、K3圃場ではメイ虫が発生している(写真は消毒しているところか)、8日の豪雨で葉先にダメージなどのメモも送られてきました。
 出穂後に待ち受けているであろう高気温や病害虫の影響が気になります。

(2018年5月18日 14:01)

酒造好適米品種"種子田"の田植え

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「龍の落とし子」を植える平吹正直さん(左)と「山酒4号(玉苗)」を植える山口泰弘さん DSC_1184.JPG

 この指とまれグループの山口泰弘さんと、平吹正直さんが、酒造好適米品種の種子田の田植えを行いました。5月14日は、平吹さんが「羽州誉」、「龍の落とし子」、「改良信交」の30アール、同15日には、山口さんが、「山酒4号」、「はなの舞」、「キヨニシキ」の80アール、八条田植機が軽快なエンジン音を響かせ、整然と植え付けていきます。
 酒造好適米品種の種子生産事業を開始したのが平成17年、今年も含め14年間にわたって二人が協力し合いながら種子生産を行ってきました。ベテランの域に達しても、種子田の田植えはとくに緊張するとのこと。田植機を巧みな操作する”ワザ”にはいつもながら感心します。
 アスク社員による恒例の田植えは19日、インドからの来客も加わり、国際色豊かな田植えになりそうです。天気に恵まれますように。
 

(2018年5月15日 13:08)

初夏の最上川"滔々"

”雪解けの水を集めて早し最上川”。福島県境にその源を発し、県内を224km縦断、日本海へと流れ込む最上川、初夏を迎えると、その豊富な水は田んぼへと一斉に注がれます。山形のおいしい米を育む、まさに”母なる川”なのです。滔々と流れる初夏の最上川をご覧ください。
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村山市大淀                戸沢村白糸の滝 
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最上峡谷から庄内平野へ(庄内町清川)
 

(2018年5月12日 11:32)

薫風の下、庄内平野は「さづぎ」盛り

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五月晴れのもと、残雪の月山(左)、鳥海山(上)を眼前に「さづぎ」が進みます

 「さづぎ」とはこめどころ庄内地方では田植えのことです。久しぶりに晴天となった11日、残雪の鳥海山、月山がその雄大な姿を見せ、一面に広がる田んぼのいたるところで田植え機のエンジン音が響き、「さづぎ」作業が盛んに行われていました。
 県内の田植えは、ほぼ例年通りで、庄内は今週末、村山、置賜、最上は22日頃がピークということです。五月晴れが続きますよう。

(2018年5月12日 11:04)

インドハリアナ州のあぜ道から(12)

カイタル5月10日.jpg ハリアナ州カイタルは5月に入って最高気温が35℃、最低気温が22℃前後の日が続いています。
 10日、最新の生育状況の写真が送られてきました。待っていた出穂を迎えました。前回のブログ(11)で、「はえぬき」の出穂は、田植え後の日平均気温の積算値から5月上旬でないかと予測しました。写真からは、一株から数本の穂が出ていることが確認できます。しかし、一斉に出そろうとまではいかないようです。圃場、株間で生育のバラツキが大きいためです。
 また、畦畔側の株は葉身全体や葉先が白く枯れあがっているのもあります。暑さ、熱風?の影響でしょうか。

(2018年5月10日 13:47)

寒空の下、"薬師祭植木"

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 ここ数日、山形の空はすっきりしません。最高気温が12~13℃(平年21℃)と低く、3月下旬並みの寒空が続いています。この寒空の下で、400年以上もの歴史がある薬師祭植木市が8日から開かれています。例年なら、爽やかな五月晴れに恵まtれ大勢の人で賑わうのですが、この悪天候で、400店もの露店が軒を連ねる沿道は盛り上がらないようです。
 それでも、傘をさしながら道行く人は、青々とした木々、色鮮やかなツツジ、母の日に向けカーネーションなどの花々を楽しみながら、春から初夏への季節の移ろいを感じていました。
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(2018年5月10日 10:45)

代掻き始まる

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 寒気が戻ったような天気が続いていますが山形市郊外の田んぼは賑やかです。春耕中、代掻き中の大型トラクタがエンジン音を響かせ行き交っています。
 酒造好適米「羽州誉」を作付するこの指とまれの平吹正直さんの田んぼは7日から代掻きが始まりました。代掻きは、耕起した田んぼに水を入れた状態で耕耘し、土を細かく砕いて表面を細かくする作業です。田植えを容易にする、作土から下層への漏水を防ぐ、雑草の発生を抑制する、などの効果があります。
 アスク種子田の代掻きは終わりました。試験田にも水が入りました。苗はやや伸びすぎですが順調に育ち田植えを待っています。
 さあ、これから田植えに向けて、忙しい日が続きかます。

(2018年5月 8日 10:40)

「酒造好適米の栽培テキスト」第5版

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 平成17年アスクは山形市郊外に試験田を設置し、県内で作付されている酒造好適米品種の作柄・品質などの特性調査を行っています。さらに同年から「酒米の里金山」等の酒米産地の品質調査をも行っています。
 この間、蓄積されたデータをとりまとめ、平成18年に「酒造好適米の栽培テキスト」の初版、同20年に第2版、同23年第3版、同26年第4版、そしてこのたび第5版を刊行しました。
 第5版の内容の特長は、最新のデータを載せたこと、県内の酒米産地で普及しつつある玄米選別の篩目2.1mmと収量、品質との関係を前版より詳細に加筆したことなどです。本テキストを酒米のさらなる品質向上に活用いただければ幸いです。なお、ホームページにも掲載する予定です。

(2018年5月 7日 11:42)

眼下に広がる 置賜盆地

DSC_1059 - コピー.JPG春靄(しゅんあい)に煙る置賜盆地、残雪の飯豊、吾妻連峰はうっすらと(4月29日)
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残雪に輝く朝日連峰(左)と月山(右) 
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 山形百名山の高ツムジ山(南陽市赤湯 693m)の山頂からは360度の展望が開かれています。眼下には置賜盆地が広がり、パラグライダーが鳥のように舞っています。この日は残念ながら春靄、盆地の南に屹立する雄大な飯豊、吾妻連峰はうっすらとしか見えませんでしたが、西には残雪に輝く朝日、北には月山、そして東には残雪が少なった蔵王(右)の峰々を望むことができました。ご覧ください。

 

(2018年5月 1日 11:15)

試験田の苗、やや伸びすぎ

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試験田・平吹正直さんの苗生育  山口泰弘さんの苗生育(プール育苗)
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 4月15日に播いたアスク試験田の苗は、出芽後の30℃近い最高気温の影響によって、 種子と第1葉との間が長くなり、やや伸びすぎてしまいました(写真右)。
 イネの葉は、葉身が退化して葉鞘だけの葉のように見えるのが不完全葉、第1葉は葉身の短い葉で、第2葉からイネらしい形の葉となります。なお、不完全葉を第1葉とする数え方もあります(星川清親:イネの生長)。
 試験田の苗は第2葉が抽出中、ハウス内は緑のじゅうたんを敷き詰めたようにも見えます。今日から連休中は気温が高くなるとの予報、ガッチリ育てるためにもこまめな温度管理が欠かせません。

 

(2018年4月28日 10:51)

インドハリアナ州のあぜ道から(11)

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  ハリアナ州 カイタルは暑くなってきました。4月中旬に入ってからは40℃近い最高気温が連日続いています。ところが最低気温は20℃前後、日中は猛暑でも夜はしのぎやすいようです(気温データはKaithlから100kmほど北のPatialaでの測定)
 4月23日に生育状況の写真が送られてきました。前回の3月30日の生育に比べ、一段と大きくなっていることがわかります。そろそろ出穂を迎えるのではと思っています。その根拠は日平均気温の積算値です。
 山形で「はえぬき」を5月15日に田植えすると、8月5日頃出穂します。この間の毎日の平均気温を積算するとほぼ1700℃です。この出穂特性がカイタルでも同様に発揮されるとすれば、田植した2月21日からの気温を積算すると、4月30日頃には1700℃に到達します。このことから5月上旬には穂が出そろうのでないか、と予測しています。ただ、写真からもわかりますように、試験田間、試験田内での圃場ムラが大きいため、一斉にきれいに出そろうとはならないでしょう。次回に送られてくる報告が予測どおりなのか、楽しみです。
                                  

(2018年4月24日 10:04)

国内最古の鉄橋を走る

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 山形県白鷹町、背後にそびえる残雪の朝日山系、眼下を滔々と流れる最上川、満開の桜、その風景を縫って走る山形鉄道フラワー長井線。ビューポイントは何と言っても一世紀を超えても活躍を続ける最上川橋梁です。春爛漫の長井線を紹介しましょう。

(2018年4月23日 12:25)

春耕始まる

 4月21、22日、山形は最高気温29.2℃、28.4℃を記録、2日連続しての夏日となりました。この暑さで15日に播いたアスク試験田のタネは一斉に芽を出しました。出芽です。同日に播いたこの指とまれの平吹さんのハウスでは芽が盛り上げた土を灌水で落とす作業が行われています。
 出芽から一枚目の葉が出る頃までの生長は、タネに蓄えた養分にたよっていますが、2~3日もすると根は土から養分を吸い、葉は太陽の光を浴び自力で生長します。離乳期と呼んでいます。ハウス内は瞬く間に緑のじゅうたんへ変わります。苗はこの頃が風や低温に弱く、保温マットの除覆、ハウスの開閉、灌水などのこまめな管理が続きます。
 田んぼではトラクタがエンジン音を響かせ、春耕が進んでいます。試験田の耕起も終わりました。米作りには大型連休はありません。耕起が終わった田んぼには最上川の雪解け水が勢いよく注がれ、5月中旬には田植えを迎えます。いつもながらの変わらぬ季節の移ろいを米づくりから感じます。
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一斉に出芽したアスク試験田  芽が盛り上げた土を落とす(平吹正直さんのハウス 4月23日)
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春耕始まる(山口泰弘さんの田んぼにて 4月23日)  耕起を終えたアスク試験田

(2018年4月23日 11:15)

山形名産"サクランボ"開花

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開花期を迎えたサクランボ(4月19日)

 春真っ盛りを迎え、山形の里は桜花の後を追うかのように果樹の花々で覆われます。その先頭を切るのが山形を代表する”サクランボ”、地元では”おうとう”とも呼んでいます。今、開花期を迎え、園地いっぱいに桜よりは一回り大きな純白の花が咲き誇っています。例年よりは生育が進んでいるとのことで、生産者は人工受粉の作業に追われています。深紅の実が熟れるのは6月中頃ですが、一足早くハウスサクランボ「佐藤錦」が首都圏へ出荷されています。今年も、山形名産をご賞味ください。

(2018年4月19日 14:41)

アスク試験田"タネまき"

DSC_1016.JPG 花冷えの4月15日、社員がアスク試験田のタネ播きをしました。試験田用に播いたのは酒造好適米品種「羽州誉」、「龍の落とし子」、「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」、「改良信交」、「酒の華」の原々種と作柄・品質調査用の種子です。試験田は平成17年にスタートし、本年で14年目です。
 原々種は前年に選抜した一品種を5系統に分けて手播きします(写真右)。原々種は基本になるタネですから、一粒たりとも他品種の種子が混入しないよう細心の注意を払いながらの作業です。
 隣の作業場では、この指とまれの平吹正直さんたちの山形ハーベストが大勢では種作業を行っています。それはそれは賑やかです。3日間で、酒造好適米「羽州誉」、「龍の落とし子」、一般米「はえぬき」、「つや姫」、「雪若丸」、「コシヒカリ」を約9000箱(約45ha分)播くとのこと。
 は種した育苗箱はハウス内に並べ、保温マットを被覆します。田植えまでの約一ヶ月間、灌水、マットの被覆・除覆、ハウスの開閉など、毎日の天気とにらっめこしながらの育苗管理が続きます。

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山形ハーベストの播種光景、何と言っても楽しみなのがお昼の弁当

    

(2018年4月16日 10:42)

試験田種子、浸漬中

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種子の浸漬(左:平吹正直さん、右:山口泰弘さん)
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 桜の開花宣言後、山形は花冷えが続いています。昨日は最高気温6.5℃、最低1.6℃、今日も小雨です。
 4月2日に塩水選したアスク試験田のタネもみは、浴槽のような大きなポリタンクで浸漬中です。”浸種”と呼んでいます。蛇足ながら、春先の田んぼのあぜ道や水路に咲く小さく白い花、タネツケバナと呼ばれています。花の名は、農家はこの花が咲くとタネもみを水に漬けたことに由来するとか。
 タネもみを水漬けする目的は、もみに十分な水分を吸収させ、またもみの表面に含まれている発芽抑制物質を除去して、一斉に発芽させることにあります。タネもみが酸欠にならないよう、水はポンプで循環します。
  タネもみは風乾重の約15%を吸水したときから胚の活動が始まります。浸漬水温は吸水しても低温のために発芽できない10~13℃が適温で、すべてのタネもみに十分吸水させることができます。浸漬期間は積算水温で120℃、おおよそ10日間程度です。十分に吸水したもみの外観はアメ色に変わり、胚芽は新しい芽生えの活動の準備が整えられるのです。
  浸漬を終えると、芽だし(催芽)をし、4月15日ころからタネ播きが始まります。

(2018年4月 9日 09:51)

早春の花々妍を競う

DSC_0986.JPG残雪の蔵王を背景に早春の花々が妍を競う(松ケ丘公園にて)
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桜花は咲き始め

 昨日は二十四節気の一つ清明。春の花々が咲き始め、万物が生き生きしてくるころとされています。アスクの近くの公園では、白梅、紅梅、サンシュウなどの早春の花々が残雪の蔵王山を背景に、妍を競うかのように咲き誇っています。そしてこれらの花を追うかのように桜の開花が4月4日、平年より11日も早まりました。この記録は1953(昭和28年)からの観測史上で2002(平成14年)4月3日に次いで2番目に早い記録とのこと。
 今日6日は花冷え、週末は雪模様と予報されています。山形の桜の見ごろは来週というところでしょうか。
 

(2018年4月 6日 12:36)

インドハリアナ州のあぜ道から(10)

 

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 3月30日現在の生育状況の観察記録、写真、気温データがカイタルから送られてきました。
 それによると、カイタル(K1~K4)の3月下旬の最高気温が29℃、最低気温が15℃、カイタルより北のデヘラドゥ-ン(D1)の最高気温は25℃、最低気温は12℃、両地域とも3月6半旬から気温は高くなってきました。
 田植え後40日の生育状況は、写真中に数字で示しています。上段が草丈(cm)、下段が茎数(本/株)です。試験区でバラツキが大きく、K2、D1は良好ですが、K4は極端に遅れています。その原因はわかりませんがそれでも前回の報告より草丈で10cmほどは伸びています。ちなみに、山形の「はえぬき」の生育は、田植え後40日で草丈40cm、茎数25本/株が標準的です。
 4月に入ると、気温はさらに上昇し、最高気温は40℃近くにもなると言われています。今後の生育はどう推移するでしょうか。 

 

(2018年4月 3日 14:15)

春陽の下、酒造好適米の"塩水選"

DSC_0965 - コピー.JPG     残雪が輝く朝日連峰(山形市大岡山から 3月31日)

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 ここ数日、山形は春の陽気に包まれ、山々の残雪の白さが一層輝きを増しています。 
 この陽気の下、クロ塗りを終えて休む間もなく2日、この指とまれの平吹正直さんが酒米の原種種子「羽州誉」、「龍の落とし子」、「改良信交」の塩水選作業を行いました。高3の息子さんも手伝う、ほほえましい平吹家伝統の光景です。
 塩水選は、充実したタネもみを選ぶ方法の一つで、明治15年(1831年)頃に考案され、現在まで引き継がれてきました。その原理は至って単純、水10リットルに塩2.6kgを入れ比重1.13の塩水を作ります。この塩水にタネもみを浸すと、充実した重いもみは沈み、粃や軽いもみは浮きます。”おいしい酒を醸す米づくり、その基本中の基本が重いタネもみを選ぶ”ことにある、と言っても過言ではありません。さあ、今年の米づくりが本格的にスタートしました。

(2018年4月 2日 12:20)

インドハリアナ州のあぜ道から(9)

(3.22)インド生育.jpg ハリアナ州カイタルで2月22日田植えをし、1か月過ぎた3月22日現在の生育状況の写真と、この間の気温データが現地から送られてきました。
  それによると、最高気温は平均で26.3℃、ちょうど山形の6月というところでしょうか。最低気温は平均12.7℃と低く、一日の気温較差は13.6℃と大きいことがわかります。天気は30日間のうち、晴れ(sunny)が8日、一時曇り(partly cloudy)が6日、雨と曇り(cloudy with a rain)が2日、そしてHazy Shade of Winterが14日でした。
 生育状況は、写真のように試験圃場でそれぞれ異なりますが、草丈は平均すると20cm。メモには、K1~K3、K5圃場はSatisfactory growth of paddy plants、 K4圃場はRice plant tip becomeing dry & yellow とのことです。なお、カイタルより北のデヘラドゥ-ンの棚田での生育(D1)はK1~K5よりは良好に見えます。Good growth of paddy plantsとメモされています。
 このように、現地圃場の生育状況は、定期的に送られてくる情報でパソコン上からある程度は把握できますが、ハリアナ州で実際に育っている「はえぬき」を目の当たりにし、触ってみて、田んぼに入って確かめないと・・・・・との不安はあります。次回はどんな写真が送られてくるでしょうか。
  (もっとも回数の多かった天気、Hazy Shade of Winter とは?直訳すれば、冬のようにどんよりとした空、それとも冬の陽炎との訳もあるので、陽炎heat weaveが発生するほどの晴れて強い日差しということになるのでしょうか)

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(2018年3月27日 10:38)

水温む"米づくり始まる"

DSC_0910 - コピー.JPG              水温む(関山大滝 東根市 3月24日)
 雪解け水が白いしぶきを上げ勢いよく滝を流れ落ち、水ぬるむ春を感じさせます。
 今日の山形は青空が広がり、田んぼではトラクターのエンジン音が響き渡っています。この指とまれグループの山口、平吹さんのクロ塗作業です。今年の米づくりがスタートしました。トラクタ-にセットしたクロ塗機が100メートルのクロをたちまちのうちに、壁を塗ったように黒く仕上げていきます。
 米作りの作業の中で、水管理に要する時間は20%と大きな割合を占めます。経営規模の大きいこの指グループは田んぼが分散しているため、もっと多くかかると思います。
 クロ塗作業は、ほどよく湿った田んぼの土を写真のようにクロに塗り付けることで、畦畔からの水漏れを防ぎ、水持ちを良くします。高品質米を育むには、きめ細やかや水管理が決め手です。クロ塗はそのための欠かせない大切な作業でもあります。
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春風の下、今年の米づくりが始まりました(3月26日 山形市郊外)

(2018年3月26日 11:15)

"アスク試験田"30年の作付へ向けて始動

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 山形県の酒造好適米品種の29年産地品種銘柄は表のとおりです。昨年収穫されたこれらの酒米は、県内外の蔵でおいしい酒を醸していることでしょう。新酒が楽しみです。
 酒造好適米品種を作付する上で基本となるのが優良種子の生産です。美山錦、出羽燦々、出羽の里、雪女神(表中の赤の部分)は山形県の優良品種に採用されており、種子生産の体制は県農業総合センター(原原種、原種)⇒指定採種圃⇒生産者となっています。それ以外の品種は蔵元が独自に開発したもの、復古品種(京の華、豊国)など多様ですが、種子の確保と特性維持のため厳密に管理・生産をに行う必要があります。
 アスクが手懸ける品種は羽州誉、龍の落とし子、酒未来、山酒4号(玉苗)、改良信交、京の華(表中青の部分)です。種子生産の体制は、アスク試験田で原原種生産⇒この指とまれグループで原種生産⇒生産者となっています。
 今、原原種子の準備に追われています。雪解けを待って、30年のアスク試験田が始動しました。
 

(2018年3月20日 10:49)

酒造好適米、2.1mmふるい目で品質向上を

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ふるい目幅と品質.jpg 例年より多かった雪、春の訪れとともに田んぼは一気に白から褐色へと変わり、残雪の朝日連峰、月山の白さが一層目映く見えます。雪消えとともに、今年の米づくりがスタートします。
 さて、アスク品質調査室で一冬続いた29年産酒造好適米の品質調査とデータ解析が一区切りつきました。それらの中で、とくに注目されたのが篩目2.1mmで選別した玄米の品質向上データです。
 JA金山出羽燦々の生産者の田んぼ4か所から刈り取ったサンプルを調査した結果が上表です。表からは篩目2.0mmに対し、2.1mmでふるうと収量は3.8~6.3%(平均5.1%)減収しますが、千粒重は0.2g、整粒歩合は5%高く、タンパク質含有量は0.2%低くなり、品質は向上することが読み取れます。
 JA金山酒米研究会60数名の生産者は29年産から、これまでの2.0mmから2.1mmに切り替え、品質向上を図っています。上表に示したデータが、金山のみならず酒米産地での品質向上に活用していただければ幸いです。 

(2018年3月19日 10:50)

「グローバルGAP」推進大会

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山形GAP推進会(河合克行会長)  JA全農 門永章宏氏
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イオンリテール千葉泰彦氏    日本生産者GAP協会田上隆多氏

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 東京オリパラに向けて、米など農産物の生産・流通の現場では今、GAP(Good Aguricultural Practice)認証への取り組みが大きな話題になっています。
 その取得促進を目指す推進大会が13日、山形市の山形国際交流プラザで開かれました。山形GAP推進会(河合克行会長)が主催し、約200名の農業、酒造関係者が参加しました。
 河合会長は「山形県農産物への消費者の信頼、日本酒の輸出拡大には世界基準のグローバルGAP取得が欠かせない、山形県はGAP先進県になろう」とあいさつ。大会では、講演と事例報告(JA金山酒米研究会、JA会津とつば堂島チェリ-トマト部会、JA岡山東赤坂特産雄町米研究会、アスク稲作研究会)が行われ、「GAP取得は生産者の責任」、「GAPは信頼の裏付け」など、GAP取得の意義、必要性に参加者は熱心に耳を傾けていました。
 

 

 

 Gおおd

(2018年3月14日 10:55)

早春の山々輝く

 

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 飯豊連峰(飯豊町添川)   月山・湯殿山(白鷹町にて)
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     大朝日岳と朝日連峰(白鷹町)
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      蔵王連峰(左:川西町にて  右:山形市郊外にて)
   

    
  3月に入り、山形は穏やかな天気にも恵まれ、一気に雪解けが進んでいます。”音の春”到来です。7日は青空が広がり、飯豊、朝日連峰などの山々はまばゆいほど輝き渡っていました。早春の雪山をご覧ください。
 

(2018年3月 8日 09:54)

県産米、姉・弟品種そろって"特A"を獲得

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雪若丸パンフ.jpg 6日は二十四節気の一つ啓蟄、大地が温まり地中で冬眠していた虫などが穴から出てくるころ。山形の今日は春の到来を告げるように晴れ渡った空が広がっています。
 さて、日本穀物検定協会は2月28日、29年産米の食味ランキングを発表しました。山形県産米では、「つや姫」、「雪若丸」が最上級の「特A」評価を獲得しました。「つや姫」はデビュー以来8年連続の特Aです。「雪若丸」は昨年はAでしたがランクを一つ上げました。「つや姫」は宮城県産、島根県産でも特Aの高い評価を得ています。
 「つや姫」はその名のとおり、ご飯の白さとツヤが際立っています。そして「雪若丸」はつや姫の弟をイメージさせるツヤとしっかりとした粒感がセールススポイントです。「雪若丸」は、30年産から県が認定した生産者によって本格的に取り組まれます。
 間もなく雪解けを迎え、豊かな清冽な水が田んぼに注ぎます。山形の天・地・人が育む「つや姫」、「雪若丸」を今後ともご賞味ください。
 (注) 両品種のご飯一粒一粒の構造を電子顕微鏡で観察するとそれぞれ特徴がみられる。「つや姫」は粒の表面の糊が膜状の構造(白さの要因の一つ)が発達している。雪若丸は粒の表面の糊の糸が長く細繊維構造が発達し、中間部の細胞壁がしっかりしている。

(2018年3月 6日 12:38)

秋田村第7回生産者大会

P1050520.JPG山田錦を作る、酒を造る、一堂に会し30年の米作りへの決意も新たに
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秋田村吉田継夫村長(左) 秋田県酒造組合原料米対策 大井建史委員長(右)
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アスクからは品質の概況を報告  品質の優れた村民を表彰

 兵庫県のど真ん中、山々に囲まれた多可町は酒造好適米「山田錦」の母方「山田穂」誕生の地、そして日本酒で乾杯の町です。この多可町で3月1日の夕方、第7回秋田村山田錦生産者大会が開かれました。
 秋田村は本ブログでたびたび紹介していますが、多可町中町の酒米生産者60名が、”秋田県の蔵元に山田錦を”との思いで酒米を作る田んぼの愛称名です。会場には村民、秋田県酒造組合、JAみのり、全農兵庫、多可町、そしてアスクの関係者など80名ほどが一堂に集いました。
 大会では、秋田県酒造組合からは秋田村産山田錦の酒造りへの取り組み状況、加西農業改良普及センターからは山田錦の作柄について、アスクからは村民全員の品質の調査結果が報告されました。29年産の品質は、刈り取り期に台風に襲来されたものの千粒重は大きく、タンパク質含有率は7%で、総じて並みと判定されました。
 大会を重ねるごとに、米を作る人と酒を造る人がお互い顔なじみになり、品質向上への意識は高まってきました。その一つが、タンパク質含有率です。開村した当時の平成23~24年のタンパクは平均して7.5%以上と高かったのが年々低下し、28~29年産は7%まで下がっていることです。
 まだまだ雪深い秋田、早春を迎えた秋田村、遠く離れてはいても、絆で生まれた高品質の山田錦は今年もまた芳醇な酒を醸すでしょう。

(2018年3月 3日 12:32)

山酒4号(玉苗)、第5回銘酒まつり

P1050507.JPGホスト役の河北酒米研究会の皆さん
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 2月24日、山形県河北町どんがホールで酒造好適米”山酒4号(玉苗)”の生産者(河北酒米研究会 奥山喜男会長)と町民が交流を深める”第5回全国銘酒まつり”が開かれました。山酒4号(玉苗)が醸す
☆吟醸酒華味之至(日本清酒:北海道) ☆大吟醸吟星四十(墨廼江酒造:宮城県)
☆純米大吟醸玉苗(秀鳳酒造場:山形県)☆裏雅山流極華(新藤酒造店:山形県)
☆大盃特別純米吾妻玉苗(牧野酒造:群馬県)
☆純米吟醸酒田むら(田村酒造場:東京都)
☆帝松プレミアム純米大吟醸生原酒(松岡醸造:埼玉県)
☆山吹極 純米無濾過原酒山酒4号(朝日川酒造:山形県)
☆米心技 吟醸酒山酒4号(朝日川酒造:山形県)
のほか雪女神、酒未来、出羽燦々、山田錦、改良信交、亀の尾が醸す全国12の蔵元の銘酒を町民が飲みかわしました。
 ホスト役はもちろん研究会の皆さんです。酒の肴には奥山会長手製の秘伝豆の湯豆腐、カラオケに手拍子を打ちながら、和気あいあいの楽しいひと時を過ごしました。
 玉苗の評価は、秀鳳酒造場が純米大吟醸の部で最高金賞を受賞するなど高まっています。今年も、研究会は高品質の山酒4号(玉苗)づくりに汗を流します。  
 

(2018年2月26日 11:39)

5mの豪雪を楽しむ

DSC_0812.JPG寒河江川から月山・湯殿山を眺望(2月23日 西川町大井沢にて)
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積雪を測る7mのスケール、黄色い部分が6m   雪回廊(志津にて)
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雪旅籠(はたご)製作中の大学生

 月山の麓志津温泉、2月23日の積雪は520cm、最高時には積雪を測る700cmの観測スケールは埋まるほどだったとのこと。この豪雪を逆手にとって楽しもうとするイベントが「雪旅籠(はたご)」です。この日は県内外から集まった大学生達が、電動ノコギリなどを使い雪像を制作していました。夜には、雪像に灯された2000本ものろうそくの明かりが幻想的な光景を浮かび上がらせます。なお、3月2~4日にも開催されますので、山形の晩冬の景色を楽しんではいかがでしょうか。


 

(2018年2月26日 10:41)

インドハリアナ州のあぜ道から(8)

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 2月22日、パソコンに田植えの写真が送られてきました。霧と低温に痛めつけられましたが、逞しく育った苗は葉色淡く下葉の枯死が見られるものの3葉ほどに生長しました。田植えの適期です。今回の田植えは試作のため小面積です。生育進度、出穂期や刈り取り期を、そして何よりも品質・食味を確認するのが主目的です。
 カイタルはこれから気温が急上昇します。カイタルから北へ100kmほど離れたPatialaにおける2017年4月の日平均気温は29℃(月最高34℃)、日最高気温の平均37℃(同43℃)、日最低気温の平均21℃(同28℃)、また、5月はそれぞれ32℃(36℃)、39℃(44℃)、25℃(28℃)でした(下図)。
 本年も同様の気温で推移すると仮定すると、田植から出穂期まで、出穂期から刈り取りまでのの積算気温から推察すると出穂期は4月25~4月30日、刈り取りは5月末になるのでないか。雨季に入ってもカイタルは雨量が極端に少なく数mm程度。日中は日差しが強く、気温の日較差が大きい。この気象条件は、米づくりにとっては最高なのですが、山形生まれの良質品種は連日の40℃に耐えることができるか。とくに品質・食味は?。気になりますが、結果が楽しみです。
4.jpg5月.jpgPatialalにおける4、5月の日気温の推移(2017年)


 

(2018年2月22日 13:43)

インドハリアナ州のあぜ道から(7)

 首都ニューデリーから北西へ車で6時間ほどに位置するハリアナ州カイタルの町、この町を訪れた日本人はおそらくごくわずかでしょう。カイタルは人口10万人ほどの町ですが結構賑やかでした。学校に通う学生達のバイク、超満員のバス、騒音の中を行き交う荷馬車、人通りは途絶えることがありません。今のインドの活力を感じます。人懐っこい子供達に元気をもらいました。ナマステ。
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学生達で込み合うバス
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稲わらを満載したトラクター、荷馬車が行き交う
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農機具屋さんにて 
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市場にて、 タマネギ、ニンジン、ピーマン、サトイモ、ナス、果物はかんきつ類が多い
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小学校にて
 

(2018年2月19日 09:36)

第20回酒米の里づくりフォーラム、蔵元、生産者一堂に

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表彰状を受け取る大沼敦さん(左)、松澤信矢さん(右)

 2月15日、酒造好適米の安定生産と栽培技術の向上に向けた第20回酒米の里フォーラムが山形市で開かれ、県内の蔵元、酒米生産者、JA、県などの関係者140名ほどが一堂に集いました。本ブログでたびたび紹介しているJA金山酒米研究会、JA新庄もがみ酒米研究会(ゆびきりげんまん)の皆さんも、連日の除雪作業の合間を縫って参加しました。
 優良酒米コンテストでは、出羽燦々の部で松澤信矢さん(JA金山酒米研究会)が酒米協議会賞を、美山錦の部では大沼敦さん(JA新庄もがみ酒米研究会)が全農山形会長賞をそれぞれ受賞しました。昨年に引き続いての受賞です。おめでとうございます。
 表彰式後、知事賞受賞者が酒米づくりへの創意工夫や思い入れなどの体験発表、引き続き、山形県酒造組合特別顧問 小関敏彦氏がIWC2018が山形県で開催されるのを受け「GI表示とIWC」の講演を行いました。
 フォーラム終了後は恒例になっている蔵元と生産者との交流会、酒造りと米づくりが雪女神が醸す酒を酌み交わし、絆を強めあいました。山形の酒の評価が高まっている原点がここにある、その思いを一層深く感じた交流会でした。
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酒米づくりへの決意もあらたに、金山酒米研究会(左)とゆびきりげんまん(右)の皆さん

(2018年2月16日 09:41)

インドハリアナ州のあぜ道から(6)

 

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サットパル氏、担当農家(4名)らと対応策について打ち合わせ

  対応策の基本は、次の2点であることを提案。
 第1点が苗代に水を溜め、漏水を防ぎ苗を保温すること。それには古ビニールシートを畦畔脇に30㎝ほど埋め込む。
 第2点が尿素の追肥を施用し生育を促進すること。
 現地の農家は冬季に米づくりをした経験はないという。小麦の収穫後のバスマティ栽培は雨季のもっとも暑い時期に入ります。代掻きした水苗代にタネを播けば、短期間で芽がでるでしょう。”水で苗を保温する”、という考えが思い浮かばないのも蓋し当然かもしれません。
 帰国後に送られてきたメールの写真からは、これらの提案は実行されたことがわかります。苗の緑は濃くなり、生育は回復してきたようです。あとは何時田植えするかの連絡を待つばかりです。
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畦畔にはビニールシートを埋め漏水防止、水がたまっている (1月29日)
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苗の生育は回復しつつあり、あとは田植えをまつばかり 

 でも気になる点があります。それは地下300mからくみ上げる水には塩分が含まれていないのか、もし含まれているとすれば、その水が灌漑される田んぼの土にも。そこで持ち帰った田んぼの土のPHとCEC(陽イオン交換容量)、地下水のPHを測定しました。その結果によれば、土のPH8.3、CEC8.1、水のPHは8.3で、土、水ともPHはいずれも高くアルカリ性です。サットパル氏は水、土ともにPHは7.0だから問題はないと言っていましたが。ちなみに山形県の田んぼの土のPHは5.5~6.0、CECは20以上です。CECは土の地力、保肥力の高さの指標になりますが、この数字からは地力は低いと言えるでしょう。
 地下水灌漑は、チューブウエル灌漑(掘り抜き井戸を掘って動力ポンプで地下水をくみ上げる方式)と呼ばれています。本灌漑方式で生産力が向上した背後で、地下水の低下や塩害が発生、とくに深刻化しているのは過剰揚水による地下水の低下とも言われています(調査と研究 京都大学 第18号より)。日本米の栽培に当たっての留意すべき点でしょう。また、おいしい日本米を作る上では稲わらなどの有機物の還元で地力を高めることも必要でしょう(現地では稲わらが田んぼに還元されることはない)。半乾燥地ハリアナでの日本米づくりは緒についたばかり、クリアする多くのハードルが待ち構えています。

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2月15日に送られてきた苗の生育  
 

(2018年2月14日 13:26)

インドハリアナ州のあぜ道から(5)

 苗の生育は思わしくない、事前の情報に不安を抱きながらKaithalno現地に入ったのは1月17です。
 朝、デリーの郊外ブルガオンのホテルを出発、デリー名物の大渋滞地帯を過ぎ、高速道を北西に向かって走ること6時間、青々と広がる麦畑、菜種の花が濃霧にかすんで見えます。途中のドライブインで休憩、外はヤッケを羽織るほどの寒さ。熱いミルクティ「チャイ」が冷えた体にしみ込む。霧が晴れた午後2時頃Kaithalni到着。休む間もなく苗代へ。
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    苗代①            苗代②
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    苗代③            苗代④

  苗代①:麦畑の一角に作られた苗代、水は入っていない。出芽はしたが、不完全葉、第1葉は白く変色し枯死している。根も伸びていない。寒さのためという。
 苗代②:苗代は宅地のわきに作られ、周囲は麦畑。側には地下水をくみ上げるポンプはあるが苗代に水は入っていない。防寒のためビニールを被覆しているが苗の成育は不ぞろい。農家は”霧のせいだ。木の葉も茶色になった”という。水を入れてもらう。驚いたことに、勢いよく出る地下水は生暖かい。水温20℃ぐらいか。地下300mから汲み上げているからであろう。外気温は低くとも、地下水の保温力を活用すれば苗は育つ、かつて山形は雪解けの水で苗づくりをした。
 苗代③:ここも水は入っていない。苗の生育は不ぞろいではあるが②よりは緑々し、生育は良い。根も伸びている。苗代が鶏小屋と木立に囲まれているため霧はかからないとのこと。養魚場のため池から流れる水を入れる。溜め池にはコブラが潜んでいるときもあるとか。
 苗代④:苗代は大型のキュウリハウスの一角に作られている。ここにも水は入っていない。苗の生育は不ぞろいであるが、根は白く長く伸びている。ハウスの中なので霧の影響はない。






 4か所の苗代とも、畦畔は土を盛り上げただけの簡易な作り、漏水を防ぐクロ塗はなされていない。ザル田では水はたまらない。それでも、②~④は今後の周到な管理対応で回復は可能と判断した。翌日、サットパル氏、担当農家と対応策について話し合う。

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苗代は土を盛り上げただけ。 保温のためビニールシート被覆(苗代③)
 

 

 

(2018年2月14日 09:40)

大蔵村肘折 積雪430cmを記録

sekisetu.jpg 県内は強い冬型の気圧配置の影響で大雪となっています。13日9時現在の積雪深は、大蔵村肘折432cm、西川町大井沢283㎝、尾花沢市233㎝、小国町233㎝、金山町184㎝、新庄市184cm、米沢市134㎝、山形市49㎝などとなっています。肘折の積雪深は観測史上1位の記録ということです。
 この大雪の中、肘折を訪れた温泉客には、積雪415cm以上になると一泊の宿泊料は無料になる特典があるとか。

(2018年2月13日 10:50)

インドハリアナ州のあぜ道から(4)

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芽だしをした種子を水苗代播く(12月3日)

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苗代期間(12月1日~1月31日)の気温の推移

 インドハリアナ州で日本米づくりに挑戦するプロジェクトチームをアスクインディアと呼んでいます。チームの先発組が、現地の指導者サットパル氏(写真右から2人目)のアドバイスを受け播種したのが12月3日、続いて、12月5日にはKaithal ujjanaの生産者が60㎡の水苗代に7kg(115g/㎡)のタネもみを播きます。水苗代は畦畔を作り、代掻きしただけで、写真からもわかりますように畦畔からの漏水対策などがない簡易なものです。12月16日にはKaithal jhakholiのキュウリ農家がハウス内に4㎡ほどの水苗代に280gのタネをまく。12月25日にはKaithal siwanの生産者が126㎡の水苗代に10kg(80g/㎡)のタネをまきます。播種日を何回かに分けたり、ハウスに苗代を作ったりしたのは、生産者自身が冬季に米づくりをした経験がなく、サットパル氏と生産者が播種の適期を確認するためでもあったようです。
 さて、Kaithalから現地情報の第1報がパソコンに入ってきました。サットパル氏の所感は、This rice variety is a summer crop  variety & it can grow property in summer seasion (April to September). This rice variety needs tempratur is min ,15 degree celcius.(本品種は夏季シーズンの栽培が適している。本品種が生育するには最低気温15℃が必要)というショッキングなもの。
 確かに、上図に示した12月~1月の気温推移から最高気温は20℃前後ではあるものの最低気温は7~8℃と低く、しかもFog(霧)の日が多いことがわかります。ハリアナの冬季の天気は山形で想定していたより厳しかったのです。

 

 

this rice

 

その内容は、nパソkポンハリアナ

(2018年2月 9日 10:15)

立春"庄内平野"

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  青空に映える鳥海山(酒田市松山にて)
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 月山(鶴岡市藤島にて)
                        「玉簾の滝」の氷瀑
 「立春」、暦の上では春を迎えましたが、県内の3日は最低気温が-5~-13℃台と厳しい冷え込みとなりました。雪は大蔵村肘折327cmと3mの大台を超え、西川町大井沢242cm、金山町148cm、尾花沢市163cm、米沢市100cm、小国町167cm、山形市39cm、といずれも平年を上回る積雪となっています。
 しかし、朝の冷え込みは厳しくとも陽が昇るにつれ気温が上がり、近づいている光の春を感じます。冬の晴れ間を見て、立春の庄内平野を撮ってきました。ご覧ください。

(2018年2月 5日 10:11)

インドハリアナ州のあぜ道から(3)

カイタル月別気温.jpg カイタルと山形の気温.jpg
KAITHALにおける月別気温と降水量   KAITHALと山形の気温比較
無題.jpg           濃霧(Deep Fog)の日の気温推移
  1.31カイタル.jpg          1月31日の気温推移
 

 ネットで調べたハリアナ州の気象を見てみよう。KAITHALの月別気温、降水量を山形と比較すると、KAITHALの1月平均気温は13.7℃、山形の4月が10.1℃、そして2月は16.6℃、山形の5月が15.7℃、KAITHALの1~2月の気温は山形の4~5月の気温をやや上回っていることがわかります。山形の4月下旬はかつては水苗代、保温折衷苗代で育苗し、5月下旬には田植をしました。KAITHALは3月に入ると気温は急上昇、4~6月の最高気温は40℃にも達します。このことから、12月下旬に播種し水苗代の水温を温めることで苗の生育を図り、1月中旬に3葉苗を田植え、4月下旬に刈り取りするならば、山形方式の米作りは可能と考えました。
 KAITHALへ脚を踏み入れてこの考えが甘いことに気付く。濃霧(Deep Fog)の頻繁な発生です。1月に入ってから31日まで実に14日間、ほぼ50%の頻度で発生しています。現地で聞くところによれば、12月下旬から1月にかけては頻繁に発生するとのこと。 濃霧の日はもちろん気温は上がりません。このため、ネット上で知り得た気温情報と実際の気温には大きな乖離があったのです。一般に平均気温は(日最高+最低)/2に近い値です。ところが濃霧の日は午後2時ころに霧が晴れると気温は徐々に上昇しますが、日暮れとともに降下します。したがって、最高気温24度、最低気温6℃の日の日平均気温は15℃ではなく、{(24℃×3時間)+(6℃×21時間)}/24=8℃}の気温に近いのでないかと推察されます(上図の赤線)。現地の人が防寒具を着て寒さをしのいでいるのもわかります。雪国の寒さに馴れているはずの私たちにとっても寒かった。この霧が、播種後の苗生育に大きく影響したのです。
 

(2018年1月31日 15:29)

インドハリアナ州のあぜ道から(2)

P1050356.JPG濃霧の中の小麦畑は車を5時間走らせても尽きることはない、その広大さに圧倒される(1月17日 右端の四角い建物はポンプ小屋)
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 西ベンガルで培ったインドでの日本米づくり、気象条件が大きく異なるハリアナ州でもそのノウハウを生かせるのか。新たな挑戦です。 
 ここで、ハリアナ州の農業の一端を紹介しておきましょう。ハリアナ州は北はヒマラヤ地帯、南はデカン高原との間でインダス、ガンジス、プラマプトラ川の流域の大平原、世界最大の沖積平野の北西部に位置しています。年間降雨量が500mm位の乾燥地帯で、元来小麦を主食とする地帯でもあります。そこがインドでもっとも多収の稲作地帯になったのは、1960年代の緑の革命によると言われています。当時、インドは食糧不足に見舞われていました。そこで、政府はハリアナなどの植民地時代に灌漑設備が整備されていた州に資金を集中投入、米、麦の多収品種に大量の化学肥料を施用することで増産を実現したという。
 このことから、ハリアナ州での本格的な米づくりは歴史が浅いのでは、と勝手に推察しています。雨量の少ない乾燥地帯であることから、灌漑がなければ土壌中の塩類が表面に蓄積する塩害地帯でもあるとも言う。土壌が高PH条件であることから、不溶性となる亜鉛を補給して(硫酸亜鉛で25kg/ha)灌漑することで立派な水田になるとも言う。
 ハリアナ州の米づくりの作業は、4月中~5月上旬にかけての小麦の刈り取りを終えた後に始まります。イネの播種は5月中旬、田植えは6月中旬、そして刈り取りは9月中~10月中旬が基本です。KAITHAl での冬期間の米づくりは、生産者にとっておそらく初めての経験でしょう。            


 

(2018年1月30日 11:27)

県内、雪降り続く

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酒米の里金山 白壁づくりの家々も、歩く人も豪雪にすっぽり
(JA金山 長倉氏撮影 25日)

 県内は強い冬型の気圧配置が続き、積雪深(25日)は平年を大幅に上回り、大蔵村肘折は284cm、 全国でトップとなっています。次いで、西川町大井沢が212cm、尾花沢市145cmなどと続いています。
 酒米の里金山も130cmもの雪に覆われ、町のシンボル白壁の家々はすっぽり雪に埋もれ、防寒着姿で歩く人達も寒そうです。この天気、2~3日は続くとか、雪おろしの事故などが無いよう願っています。

(2018年1月25日 12:38)

インドハリアナ州のあぜ道から(1)

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  あぜ道日誌を2週間ほど休み、新年早々インドまで足を延ばしてきました。 あぜ道日誌では1915年、20回にわたって、西ベンガルでの日本米づくりの奮 闘記を連載しました。今回は、西ベンガルとは反対方向、デリーの北西部ハリ アナ州カイタルでの日本米づくりです。事業は緒についたばかり、生産が可能か どうかまったく未知数です。
 カイタルという地名、ほとんどなじみのない地名 でしょう。冬期間の今は見渡す限りの小麦畑が続いています。この地で山形県の主力 品種「はえぬき」は逞しく生育できるのか。試練はこれからです。
 さて、人口13億人のインドは経済発展にともない日本食の食文化が広がるこ とが期待されます。わずか数%に広がっても、3~4千万人の市場規模になる でしょう。ご存知のように、インドは長粒種「インデカ米」が中心、ハリアナ州は中で も「バスマテイ」という高級米の一大産地です。単収はインドでもトップクラスで3.4トン(もみ)です。 インド国内では現地の日本料理店が必要とする、日本人が食べたい「ジャポニカ米」はほとんど流 通していません。厳しい輸入規制があるために日本からの米の輸出は難しいの です。
  デリー行きの機内で隣り合わせた方は「出張でたびたびデリーに滞在しますが、会社の寮ではおいしい日本米を食べたい」、と語ってくれました。インド各地で汗を流し働いているビジネスマン、その家族、発展著しいインドに滞在する日本人は今後飛躍的に増えると見込まれています。
 将来を見通し、インドで山形の「はえぬき」の生産を成功させたい、西ベンガルでの取り組みを参考にしながら、気候風土をまったく異にす るカイタルでの米づくり、その状況を数回にわたって紹介します。
 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

(2018年1月24日 11:38)

雪降る中、初市にぎわう

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軒を連ねる露店には団子木、カブ、臼、杵など
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四方山会の力強い餅つき踊り  園児たちも仲良く初市見学

 江戸時代初期からから続いている山形市の初市が10日に開かれました。時折、雪が強く降る中、露店には色どりの団子木、臼、杵、まな板などの木工品、カブなどの野菜類が並べられ、縁起物を買い求める多くの人で賑わっていました。また、民俗文化サークル四方山(よもやま)会の餅つき踊りが披露され、その力強い踊りが沿道の観衆を楽しませました。今年もよき年でありますよう。

(2018年1月11日 10:26)

"戌年"おめでとうございます

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平成30年元旦の名刹宝珠山立石寺(山寺)     アスクの 仕事始めはまず餅つきから

  明けましておめでとうございます。本年もあぜ道日誌のご愛読よろしくお願いします。山形の年明けは雪が多く、小寒の積雪深は大蔵村肘折247cm(平年132)を筆頭に、西川町大井沢172cm(102)、金山町100cm(44)、尾花沢市108cm(47)、山形市38cm(15)、米沢市82cm(32)など、平年の倍以上となっています。
 弊社は5日に始動しました。護国神社で商売繁盛、無病息災を祈願したあとは、社員が今年の抱負と意気込みをこめての漢字一文字の書初めです。そして餅つき、雑煮もち、納豆もち、あんこもち、ずんだもちに舌づつみ。米屋ならではの仕事始めの光景です。
 さて、戌年、経済界には株相場が上がり「犬笑う」という格言があるとのこと、山形県の米の作柄ではどうでしょうか。明治12年(1879)から本年まで、戌年は12回あります。そこで前の戌年(平18年)までの11回の作柄指数(平年100)を棒グラフで示すと、作柄が平年を上回ったのが3回、平年並みが7回です。グラフで注目されるのが、昭和9年の大きな落ち込み、”大冷害”です。この年は江戸時代の飢饉に匹敵するほどの凶作でした。その状況を報道した新聞記事(昭和9年10月10日、山形新聞)の一端を紹介しておきます。
 新年早々暗い話にはなりました。もちろん、干支と米作柄の関係には科学的根拠はありませんが、米をはじめ農作物は自然の恵みなしには育たないことを84年前の大冷害は教えています。
 半世紀もの間続いてきた米の減反政策は終わりを告げ、米を巡る情勢は新たな局面を迎えます。歩き回るあぜ道にも変化があるかもしれません。でも、出来秋を喜ぶ笑顔はいつの時代であっても変わらないでしょう。
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(2018年1月 5日 12:41)

かほく酒米研究会、山酒4号(玉苗)に乾杯

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山酒4号に乾杯! 米作りの巨匠、奥山、土屋さんから学ぶアスク若手社員
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 暮も押し迫った22日夕方、酒造好適米品種山酒4号(玉苗)の生産者”かほく酒米研究会”の総会が、寒河江市の陣屋で開かれました。会には、奥山喜男会長ら生産者、研究会を支援する山崎商事、山米商事、アスクが集い、山酒4号(玉苗)の作柄、酒米の状況、グローバルGAPについて語り合いました。ちなみに、本会員で、米作りのベテラン奥山喜男、土屋喜久夫さんはG・GAPの認証を受けています。
 29年産山酒4号(玉苗)の品質は、右の図に示したように、玄米タンパク含量は平成18年産以降もっとも低く平均6.8%、また玄米千粒重は2番目に高い27.6gでした。反面、等級は今一つアップしなかったことが反省点です。
 本年産は、研究会の熱心な取り組みで16ha作付されました。山酒4号(玉苗)は、県内では新藤酒造(米沢市)、秀鳳酒造場(山形市)、朝日川酒造(河北町)、冨士酒造(鶴岡市)、そして県外では日本清酒(北海道)、墨廼江(宮城)、東日本酒造(福島)、松岡醸造(埼玉)、冨久千代酒造(佐賀)の蔵で醸されています。
 乾杯は、”華味之至(しかみ)”(日本清酒)で、その馥郁とした香りを酌み交わし、米づくりに話が弾んだことは言うまでもありません。
 一年間あぜ道日誌を読んでいただきありがとうございました。良いお年をお迎えください。
 

 

(2017年12月25日 09:53)

酒造好適米の玄米形状(4)

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図1 玄米形状と千粒重(出羽燦々) 図2 玄米形状と千粒重(山田錦)

 アスクの品質調査室には各地・各蔵から送られてくる酒米などのサンプルが所せましと並び、それらの調査に追われています。本年、新規に導入したサタケ穀粒判別器(醸造用)もフル回転しています。それらの調査結果から、玄米の形状(長さ、幅、厚み)と千粒重との関係をとりあえず紹介しましょう。
 図1が出羽燦々(JA金山酒米研究会・JA新庄もがみ指切りげんまん産)です。調査したサンプルはいずれもふるい目幅2.1mmの網で選別されています。形状と千粒重との相関係数は”幅”がもっとも大きく、次いで”厚み”、”長さ”の順でした。図2が兵庫県T町産グレードアップ山田錦です。2.05mm網で選別されています。前者と同様に相関係数は”幅”が最も大きく、次いで”長さ”、”厚み”でした。
 両品種とも2.1mm、2.05mmの大きなふるい目幅の網で選別されていることから、品種・産地が異なるにもかかわらずほぼ同様の傾向を示したと考えられるが、今後さらに検討を重ね、より大粒の酒米生産のための知見を得たい。
 

(2017年12月21日 13:47)

恒例"歳末大感謝祭セール"

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 アスク恒例の”歳末感謝セール”が小雨の中16日店開きしました。”はえぬき・コシヒカリ”の玄米30kgが8056円、”つや姫”9250円、”ヒメノモチ”白米3kgが962円という安さ。それに甘酒振る舞い、酒粕詰め放題、青菜漬け直売、生産者の野菜直売などなどのイベントなど盛りだくさん。日頃よりご愛顧いただいているお客様に社員一同感謝、感謝、忙しかった年の瀬の一日でした。

(2017年12月16日 11:33)

JA金山酒米研究会"29年産米の品質"

金山(長倉氏).JPG酒米の里金山、田んぼは深い雪に覆われています(12月14日、JA金山長倉潤氏撮影)
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図1 タンパク質含有量と千粒重の推移  図2 玄米幅と千粒重との関係

 12月半ばというのに県内は平年の3~4倍近い積雪深となっています。14日現在で山間部の大蔵村肘折の116㎝を最高に、西川町大井沢82cm、中山間地の金山町37cm、尾花沢市60cm、平野部でも米沢市61cm、山形市20cm、これから3月まで雪に追われる日々が続きます。
 さて、JA金山酒米研究会の29年産「出羽燦々」の品質調査の結果がまとまりました。その概要は次の通りです。生産者の総平均値では
  玄米千粒重:27.3g   玄米タンパク含有量:7.5%
  整粒歩合 :80.6%   胴割れ粒歩合   :3.4%
となっています。
 29年産の品質特徴は、上のグラフに示したように、千粒重が例年より1g、前年より2g近く大きかったことです。その要因が60数名の生産者がふるい目幅を2.0mmから2.1mmに切り替えたこと、加えて、7月中旬の高温多照によってモミが大きく形成されたこと(図2)が考えられます。
 出穂後は日照不足が続き、登熟、粒重の低下が懸念されました。にもかかわらず、 研究会は2.1mm選別で品質向上を図った、この果敢な取り組みに改めて敬意を表します。本年産の「出羽燦々」、これまでに増して芳醇な酒を醸すでしょう。

 

(2017年12月15日 09:59)
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