苗を育てる
【4月 種をまき、苗を育てる】
育苗箱、育苗培土の準備
苗を育てる専用の箱が育苗箱です。幅30cm、長さ60cm、深さ3cmのプラスチック箱が主に使用されます。箱数は稚苗では10アールあたり25箱が標準です。
育苗培土は有害物や病原菌がなく、保水性と排水性のよい土壌が適しています。培土のペーハーは4.5~5.5、箱当たりの肥料は窒素、燐酸、加里の3要素を2gとします。
重い土の代わりに、マット状の軽い代用品も使われています。
種もみをハト胸にする(催芽)
水を十分に吸った種もみは、30~32℃の温湯に20時間くらい浸けると、一斉に発芽します。これを催芽といいます。芽の長さは1ミリほどで、種もみはハト胸のような形になります。
種をまく
ハト胸の発芽もみは水をよく切って、播きます。今では、種まきは播種機を使って、育苗箱への床土入れ→潅水→は種→覆土の一連の流れ作業で行われます。 |
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種をまく時期は、田植えの20~25日前、4月15~20日ころです。
苗を育てる
種をまいた育苗箱は、すぐにビニールハウスの中に並べて育てる方法と、30~32℃に保った出芽器で2日ほど管理した後、ハウスに並べる方法があります。
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タネをまいた育苗箱を すぐにハウスに並べて 育苗する方法 |
32度に保った出芽器で 2日間管理した後にハウスで 育苗する方法 |
並べた直後は、箱の上に、保温マットなどをかぶせて出芽を揃えます。
出芽してからは、苗に弱い光をあてながら、外気温に馴らしてゆきます。
育苗箱を並べてから5日間は、ハウス内の温度管理は昼25℃、夜15℃位を目安にします。
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播種後はマットなどで保温 | 播種後10日間の苗成育 |
育苗後半になると、春の日射しは日に日に強くなりますので、晴れた日にハウスを開けるのがちょっと忘れると、たちまち40℃以上にもなります。高温になると、苗は水分不足を起こしますので、潅水作業が大切です。
春の育苗期間は、山形の内陸地方では晩霜や雪、庄内地方では強い風の危険があります。
ハウスの開閉、潅水、そして低温・風から苗を守る、田植えまでの25日間、育苗には気の休まる時がありません。
【5月 水田の耕起、しろ代かき、田植え】
水田を耕す
4月下旬、さくらんぼの花が咲くころ、田んぼへの出動開始です。作業のスタートは、土に力をつける(地力)ため、堆肥などの有機物や、ケイ酸を含む土づくり肥料の散布です。
田んぼにはトラクターのエンジン音が響きわたります。5月のゴールデンウィークが耕起の真っ盛り、農家に休日はありません。
トラクターの後部に装着されたロータリーが回転し、15cmほどの深さに耕してゆきます。同時に、稲の生長に必要なチッソ、リンサン、カリの成分が入っている肥料を散布します。
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畔ぬり作業 | 耕起作業 |
2013年7月30日 20:37