アスク試験田における酒造好適米品種の玄米品質と気温との関係(4)
4 出穂後気温と心白未熟粒との関係


心白未熟粒歩合とは、ふるい目幅2.1mmで選別した粒のうち、粒全体が白濁した粒を「サタケ穀粒判別器(醸造米対応)」が「心白未熟粒」と判別する数値を指す。粒の大きさは整粒とほとんど変わりないが、未熟粒扱いのため整粒歩合は低下する(写真右)。
出穂後の期間別平均気温と心白未熟粒歩合との関係が上図である。心白未熟粒歩合は、羽州誉、出羽燦々、山酒4号、酒未来では、出穂後20日間の平均気温との関係における決定係数が、それぞれ0.86、0.80、0.92,0.92と極めて高かった。また、美山錦、龍の落とし子、雪女神、出羽の里は0.81、0.88、0.66,0.89と、雪女神を除いて高い値を示した。
図からは、いずれの品種とも出穂後20日間あるいは30日間の平均気温が26℃以上になると 心白未熟粒は急増することがわかる。
酒造好適米品種「山田錦」においては、出穂後11~20日目の平均気温が26.5℃以上になると乳白米と背白米が急増することが認められている(池上)。また、「コシヒカリ」などの食用米でも、乳白米や背白米は出穂後20日間の気温が26~27℃以上になると多発することが明らかにされている。長戸・江幡によれば、「コシヒカリ」、「山田錦」とも粒重増加速度は出穂後11~20日目の10日間が最も大きくなり、気温の影響が最も大きいという。
これら諸報告から、大粒の酒造好適米品種は出穂後20~30日間の高温に特に敏感で、胚乳内のデンプンの充実が劣り小粒化したり、心白形状が中心部からずれ、粒全体が白濁化しやすいのでないか、と推察される。
2025年8月 4日 09:34








