出穂後の高気温対策としての水管理

 暦の上では立秋間近というのに山形は連日35℃近い気温が続いいます。この暑さは当分続くとのこと。昨年は猛暑で産米品質は大きく低下しました。本年産も昨年の二の舞になるのでないかと懸念されています。
 暑さ対策の一つが水管理です。なかでも近年注目されているのが飽水(ほうすい)管理という手法です。地表から1~2cmまで浅く水を入れ、その後は自然に減水し、溝や足跡などのくぼみに水がたまる程度まで減ったら再び水を入れます。これを繰り返すことで、土壌が湿っている状態を保ちます。
飽水管理.jpg 出穂期以降に高温当たると、白未熟粒が発生します。こうした品質低下を防ぐには、水管理によって稲の温度を下げ、根の活力を維持することが重要です。用水のかけ流しも稲を冷やすには有効ですが、用水量が限られ、難しい地域もあります。こうした場合に、必要な水量が少ない飽水管理を実施するよう、山形県では呼びかけています。
 高温時に湛水したままですと、夜も水温が下がらず、稲が消耗します。一方、湿った状態を保つ飽水管理では、気化熱で地温が下がる効果が期待できます。自然に減水して地表が出るため、根に酸素を供給でき、活力維持も期待できます。
飽水管理の水温.jpg               水管理別地温の推移(松江) 

 フエ-ン現象が予想される場合には、浅い湛水状態を保ち、稲体の急激な蒸散を防ぎます。フエ-ン後は速やかに落水し、飽水管理に戻します。

2024年8月 5日 10:20