"緊褌一番"辰年の米作りへ

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 今年もあと2日、記録的な夏の暑さに翻弄され米作りの一年でした。県産米は1等米比率が46%と大きく落ち込み、現在の検査制度の開始以降で最低を記録しました。粒の背腹や基部が白色になる「白未熟粒」が多かったのが主要因です。
 これまで、出穂後25日間の平均気温が26℃以上になると白未熟粒の発生が多くなることは知られていましたが、本年は29℃。この暑さで、県産米の一等米比率は高温耐性中にランクされている「はえぬき」で36.1%、耐性が強い特性がセールススポイントの「つや姫」で52.7%にとどまり、生産現場に衝撃が広がりました。救いは「雪若丸」が87.3%と健闘し、高温耐性強を示したことです。
 品質の低下は、酒造好適米品種「出羽燦々」、「雪女神」でも同様でした。酒米の特性である心白部分が粒の腹側に大きく流れ乳白色を呈する心白未熟粒の発生が目立ったためです。
 さて、年末年始の最高気温は10℃近い真冬とは思えない天気が続くと予報されています。辰年もまた、暑い夏が到来するのでしょうか。暑さに負けない米作り、高温耐性品種への転換のほか、土づくり・施肥・水管理・適期収穫などの高温対策技術など、これまでにも言われ続けてきたさまざまな取り組みを深化する、良食味・高品質米づくりに向け"緊褌一番"。
  

2023年12月29日 10:31