酒造好適米品種、品質苦戦

 農林水産省が発表した9月末時点の23年産水稲玄米品質の1等米比率が大幅に下落しました。同省によれば、夏の猛暑の影響で白未熟粒が増えたことが響いたという。山形県の主要品種の1等米比率は「はえぬき」43.2%(前年同期比▲53.0%)、「つや姫」63.0%(▲36.2%)、「雪若丸」91.1%(▲7.0%)と低下、酒造好適米品種では「出羽燦々」の1等米以上比率69.8%(▲19.1%)、「出羽の里」91.2%(▲4.9%)、「雪女神」80.6%(▲11.6%)と、同様に低下しました。
 アスク試験田の酒造好適米品種の品質概況はどうだったでしょうか。その結果は下表の通りです。
試験田品質令5.jpg いずれの品種とも整粒歩合は大幅に低下しました。心白未熟粒が増えたためです。酒米特有の鮮明な心白粒ではなく、玄米の腹側に流れた腹白型白型や、玄米全体が乳白状になる粒が目立ちました。玄米千粒重は平年並み、タンパク質含量はやや高めです。
 アスク品質調査室では、酒米産地から送られてくるサンプルの品質調査に追われていますが、いずれの産地とも一見して白粒が多いことがわかります。今後、調査を進め、その結果を本ブログで紹介します。
 

2023年11月 2日 12:04