令和4年アスク試験田の作柄(1)

令4年アスク試験田収量.jpg  山形県村山地方の令和4年産米作況は対平年比100(実収579kg)の並みと発表されています。収量を構成する㎡当たりもみ数が対平年比96%と少なかったものの、玄米千粒重102%、玄米粒数歩合101%と、登熟要素が平年を上回り、その結果、収量は平年並みを確保しました。
 さて、アスク試験田の酒造好適米品種の作柄・品質はどうだったでしょうか。とりまとめましたのが上の図です。
 面積当たりもみ数:早生群(美山錦・羽州誉・龍の落とし子)、中生群(出羽燦々・出羽の里・雪女神・山酒4号(玉苗)・酒未来)ともに平年より少ない(対平年比91%)。
 精玄米粒数歩合(全もみ数に対する粒厚2.0mm以上の玄米粒数割合):全品種平均で平年差1.2%の増。
 玄米千粒重:全品種平均26.3gで平年25.8gを上回り対平年比102%。
 a当たり収量:単位面積当たり収量は、面積当たりもみ数×精玄米粒数歩合×玄米千粒重で求まります。全品種の平均収量(ふるい目幅2.0mm)は、もみ数が少なったことから対平年比98%です。一方、2.1mm選別の収量は対平年比103%です。これは、もみ数は少なかったものの、登熟要素が平年を上回っり、粒厚の厚い粒が多かったためです。2.0mm選別に対する2.1mm選別の収量比も平年を5.7%高めでした。
 以上から、アスク試験田の作柄は、粒厚の厚い大粒の割合が高く、酒造米としては良好と言えるでしょう。
 その主な要因としては7月中旬から8月下旬までの気象経過があげられるでしょう。すなわち、穂孕期~出穂にかけての多照がもみサイズを大きくしたこと、玄米の幅、厚さが形成される登熟中期が日照は少なかったが気温が低めであったこと、があげられるでしょう。品質については次回。

wasegunn

2023年2月10日 13:59