「良質酒米生産に向けた栽培技術のポイント」(4)

P15jpg.jpg 15 原料米のタンパク質含有率が高いと、酒のアミノ酸度が高まり、雑味が多くなると言われ、含有率は低い方がよい。金山酒米研究会の玄米タンパク含有率の平均値の年次変動では、7.4%から8.0%(平均)までの差がみられる(タンパク含有率の測定はBLテック社の近赤外分光分析計)。
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 16 タンパク含有率は、作付けする田んぼの土壌型によっても影響される。金山で調査を始めた当時、細粒強グライ土が7%台に対し、黒ボク土は8%台と高かった。しかし、タンパクを測定することで生産者が低タンパク米を作る意識の高まりで、土壌間の差は見られなくなった。
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 17 タンパク含有率が窒素施用量、とくに穂肥施用量、穂肥施用時期によって影響され、その量が多い、時期が出穂期に近いほど高まる。その傾向は出羽の里や雪女神より出羽燦々で強く表れる。
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 18 玄米タンパク含有率はもみ数が多いと高まる。これは窒素が多く吸収されてもみ数が増えるとともに小粒化し、玄米タンパク質含有率が高まるためと考えられる。千粒重、心白発現は生育期間の気象条件で変動しやすいが、タンパク含有率は生産者の栽培技術によって変動しやすい。















2022年10月17日 14:12