「良質酒米生産に向けた栽培技術のポイント」(1)

P1.jpg1 全国の酒造好適米品種の生産量(検査数量)は令和3年産でみると、全国で7万3千トン、コロナの影響で2年産の85%となっています。数量がもっとも多いのが酒米の横綱山田錦で全数量の38%を占め、全国40県で作付けされている。続いて多いのが五百万石、新潟県をはじめ北陸を中心に作付けされている。3位が美山錦、雄町、秋田酒こまち、そして出羽燦々と続く。令4年産の全国の醸造用産地品種銘柄数は229,実品種数は124である。
P2.jpg 2 山形県の産地品種銘柄は14品種、令和3年産の検査数量で最も多いのが出羽燦々、次いで、美山錦、出羽の里、雪女神となっている(令4年3月31日現在)。青色で囲んだ品種は弊社が独自に種子生産している品種である。
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 3 酒造好適米と呼ばれる品種の特性は、山形県酒造組合特別顧問小関先生によれば、「理想の酒米を山田錦とし、その特性から第1に、粒が大きく、豊満であること、第2に、心白が粒の中央に鮮明にあること、第3に、タンパク質含有量が低いこと、そして第4に高度精米に耐え、無効精米率が低いことを上げている。さらに、先生はこれらの品種特性を酒造適性と称し、酒造りに向く米は、酒造適性を一層高める栽培環境を与えることによって作り出される。どんな優秀な品種であっても、栽培環境が悪化すれば、酒造適性も劣化する。酒造好適品種のもつ心白があり低タンパクの酒米をよく精米して優良な酒を造る、酒米生産者と蔵元が共通の認識を持ってこそ、地酒王国山形が誕生するとも述べている。
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 4,5、6, 酒造好適米品種の農業特性、品質特性について、アスク試験田では平成17年から調査をしているがそれをまとめたのがこの特性一覧表と稲株と玄米である。



 















2022年10月 3日 10:31