アスク試験田、穂肥施用

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水稲分施発祥の地の碑 試験田に追肥

 7月に入り連続暑い日が続きましたが、今日は一服。試験田の中干期間中は猛暑となり、田んぼは大きくヒビ割れするほど乾きました。小暑の7月7日、試験田に再び水がリ入り、イネの葉は水をタップリ吸い込み、涼しげに見えます。
 この暑さで、幼穂の形成が早まっています。幼穂が育つのに必要な養分を与えるのが"穂肥"、"分施"と呼ばれる追肥です。出穂後の稔りをも良好にします。米づくりにとって、増収と品質向上に欠かせない最も重要な技術の一つです。
 最近では、経営規模の拡大、高齢化などで田植え時に施用する効果の長い一発肥料のみで、穂肥を省略する作業体系が増えています。しかし、穂肥はイネの生長や葉色を観察しながら、予想される気象経過を考えながら、施用量や施用時期を決めるなど、米づくりの匠がもっとも本領を発揮する技術なのです。
 穂肥は、かつては分施とも呼ばれ、先の戦時中の増産技術として山形県は全国に先駆けて取り入れました。その発祥の地が山形市江俣です。江俣中央公園には、分施の普及に尽力した田中正助翁の碑が建立されています。
 分施技術は、戦後の保温折衷苗代、多収品種の普及と相まって、山形県を全国の米どころに押し上げる原動力ともなりました。

2022年7月 7日 13:58