「春は名のみの風の寒さや」、こめづくりスタート

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 (寒風の中でのアスク試験田のクロ塗作業 3月24日)
 山形市郊外のアスク試験田にも遅い春が訪れました。でも、周囲の山々はいつもの年より多い残雪に覆われ、田んぼを吹き渡る風の寒さに冬の名残を感じます。
 この寒さの中、「この指とまれ」の平吹正直さんのこめづくりがスタートしました。クロ塗作業です。トラクタにセットした機械を操作する熟練した技がアスク試験田の100メートルのクロをたちまちのうちに塗っていきます。定規で引いたように一直線に。
 こめづくり八十八の手間を10アール当たりの労働時間で表すと、平均でトータル約20時間、このうち、田植えに3時間(15%)、収穫調製に4時間(20%)、ただし、経営規模が15ヘクタール以上と大規模になると、この半分近くと大幅に減少します。
 ところが、田んぼに水を引いたり、抜いたりする水管理には5時間(25%)、経営規模が大きいほど田んぼが分散するため手間はもっと多くかかります。
 こめづくりで最も多くかかる水管理の手間を軽減するのがクロ塗です。程よく湿った田んぼの土をクロ(畦畔)に壁のように塗り付けることで、クロからの水漏れを防ぎ、水持ちを良好にします。
 高品質米を育むのがきめ細かな水管理、クロ塗はそのための欠かせない作業なのです。

2022年3月25日 10:32