人と風土が育む山形の酒米(18)

葉色計.png <葉色による穂肥診断>
 一般に葉色と玄米タンパク質含有率は正の相関関係にある。すなわち、葉色が濃い稲体の米はタンパクが高い。幼穂形成期(710日)の葉色が38SPAD値)以上、穂揃期の止葉の葉色35以上で玄米タンパク質含有率の指標値7.3%を上回ることが研究会の圃場調査から明らかになった。幼穂形成期は酒米の品質、千粒重、タンパクの変動に大きくク関与する穂肥時期に相当する。葉色による穂肥の時期、量を判断することを"穂肥診断"呼んでいる。 そこで、金山における葉色による穂肥診断と対応について、まず、幼穂形成期の710日頃に葉色を測定する。その指標値は38とし、茎数、草丈の生育量をも勘案して穂肥の要否を判定する。ついで、穂揃期に葉色を測定し、玄米タンパク質含有率を7.3%より高めない葉色の指標値35であるか確認する。もし、葉色がこの値より明らかに高い場合には、次年度に向けての施肥対応を検討する。こうした手法により、産地からは玄米タンパク質含有率が低く、バラツキが小さい「出羽燦々」を蔵元に供給できる。将来的には、穂揃期の葉色をドローンで測定することで、玄米タンパク質含有率を予測可能となり、スマート酒米生産への道も期待されるであろう。
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2022年3月18日 10:43