人と風土が育む山形の酒米(17)

 4 酒造好適米の品質と栽培技術向上をめざして (2)
 2)品質向上への栽培技術改善
理想的な酒米ともいわれる「山田錦」、酒造好適米の必須条件である大粒・心白・低タンパクであることはもちろん高度精米に適し、何よりも酒質の点で蔵元から高い評価を得ている。一方、山田錦のように優れた酒米品種であっても、1)で述べたように、その栽培環境によって酒造適正は変動し、悪化すれば酒造適性も劣化する。酒造りに向く米は、酒造好適品種の持つ酒造適性を一層高めるような栽培環境と技術を与えることにって作り出される。金山酒米研究会の主な事例を紹介しよう。
土づくり.jpg土づくり肥料散布.jpg

 <土づくり>
 酒米生産の基本は生産性の高い水田土壌を形成することにある。その一つの柱が土づくり肥料(ケイ酸含量2030%)の施用によるケイ酸供給力の増加である。ケイ酸資材の施用によって、米のタンパク質含有率は低下するとともに収量性は高まる(藤井)。金山の事例では、黒ボク土、細粒強グライ土で、土づくり肥料施用田と無施用田の玄米のタンパク質含有率を比較すると、両土壌型ともに、施用田で明らかに低かった。この事例を研究会に示すことで、全員が土づくり肥料を施用するようになった。





 

2022年3月18日 09:51