アスク試験田酒米品種の品質(令3年産)

令3年アスク試験田品質.jpg
 早いもので明日から光の春2月を迎えますが、県内の豪雪地は大蔵村肘折271㎝(平年246)、西川町大井沢221cm(191)、尾花沢市157cm(128)で、いずれも平年より30cmほど多い状況です。
 さて、アスク試験田の酒造好適米品種の品質概況は上表のとおりです。表内の太字が3年産です。これによれば、特徴的なのがいずれの品種とも玄米千粒重が重く、玄米タンパク質含有量が低いことです。中生品種群の千粒重は平均27.7g、平年より1.4gも上回りました。また、中生品種群のタンパク質含有量は平均6.6%、平年より0.6%低下しました。さらに、千粒重増加に伴って、ふるい目幅2.1mmの粒厚歩合も高まりました。
 大粒化によって、タンパクが低下し、シンパクが鮮明に入る、精米効率が高まる、このことが吸水の安定、安定した麹造り、そして安定した消化性が得られ、おいしい酒を醸すともいわれています。もしアスク試験田の酒造好適米品種で酒を造ったなら、芳醇な香りを漂わせたに違いありません。
 アスク試験田の栽培法は毎年同一であることから、千粒重が重くなった要因は気象条件、すなわち、①7月第4~5半旬が高温多照で経過したことで、もみ殻(頴花)が大きく形成されたこと、②出穂後40日間の平均気温が23.9℃と比較的低い気温で経過し(令1年、2年はともに27℃)登熟が良好であったことなどが考えられます。

2022年1月31日 11:33