「酒未来」など、酒米品種の種子調製

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 例年なら蔵王や龍山が紅葉から雪景色に移り変わり、冬の訪れとともに始まるのが、アスク種子田で収穫した酒造好適米品種の種子調製作業です。今年は初冠雪を見ないまま作業が始まりました。
 アスクが取り扱っている酒造好適米品種は「羽州誉」、「龍の落とし子」、「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」、「改良信交」、「ASK愛山」、そして「キヨニシキ」、「雪化粧」、「はなの舞」、「酒の華」の原々種(令和4年原種生産種子)と原種(同生産用種子)、実に多様です。
 これらの種子生産を一手に担っているのが「この指とまれ」の山口泰弘、平吹正直さんです。種子生産を手掛けて17年目になります。二人が工夫した種子調製の施設は、フォークリフト、脱芒機(もみの芒、枝梗、ワラくずを取り除く)、回転型選別機(充実したもみを2.2mm網で選別)、昇降機、秤、袋詰めの一連の作業機をつなぎ合わせた独自のもの。6000kgの種子を調製します。一品種の調製が終えるごとに丁寧な掃除は欠かせません。作業は4日ほど続きます。
 原々種子は社員が1本づつの苗を植え、社員が手刈り、脱穀したもみです。その調製は小型の脱芒機に2.2mmのグレーダを取り付け、きれいに効率的に精選します(写真右)。原々種子は来年山口、平吹さんの田んぼで増殖し、6000kgの原種は生産者に配布し、生産された原料米は来年の冬には蔵元で新酒を醸します。”山形の地酒”、それを支えているのが二人の地道な作業にある、と言っても過言ではありません。
  

2021年11月18日 11:23