3月の気温と水稲作況指数

3月気温と作況jpg.jpg 本年3月の平均気温は山形気象台観測史上(1890~2021)最高を記録しました。桜の開花が異常に早まったのもうなずけます。
 さて、米生産・流通の業界紙の商経アドバイスは3月の気温と水稲作況指数との関係を報じています(4月12日号)。それによれば、コメ生産量の大きい主産地の3月歴代高温年ベストテンのコメ作況指数は(令3徐)、東北地方は平均102で、98以下の不作は1回のみ、102以上の豊作が6回で、本年との類似年は豊作傾向としています。
 山形県も同傾向でしょうか。調査しました。その結果が上のグラフです。歴代高温年ベストテン(令3徐)のうち、作況指数102以上が5回、並みが3回、98以下が1回となっています。作況指数並み以上の割合は90%で、高温年の作柄はおおむね良好という傾向が見られます。
 それでは逆に低温年ではどうだったでしょうか。歴代低温年ベストテン(昭和20年徐)のうち、102以上が7回、並みが1回、98以下が1回で、並み以上の割合は前者と同じく90%で、低温年の作柄も良好でした。とくに、低温年では105以上が5回を数え、低温年の方が高温年より作況指数は高い傾向にありました。
 もちろん、3月の気温と作柄との因果関係は明らかではありません。3月が低温であっても作柄が良かったのは、稲作期間が良好な気象条件で経過したのかもしれません。興味あるのは、低温年は年代がかなり遡っていることです。。この時代、米づくり、それも多収栽培に情熱を燃やす生産者が群雄割拠していた、このことも作況指数を高くした要因ではないでしょうか。 
 グラフには年次を入れていますが、高温年のベストテンには平成(H)が7回、令和(R)が3回入り、低温年には昭和(S)6回、大正(T)2回、明治(M)2回が入っています。、この数字は、近年の温暖化の激しさを浮き彫りにしていると言えるでしょう。 

2021年4月13日 09:43