気象の新平年値、"稲作期間の気温上昇""

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 山形は紅白の梅が咲き誇り、29日の最高気温は22℃、この暖かさは31日まで続くと予報されていることから、3月の平均気温は観測史上1位を記録するでしょう。今年も高温傾向が続くのでしょうか。
 さて、気象庁は暖冬や冷夏などの気象経過を判断する目安「平年値」を更新しました。現在使用中の1981~2010年の30年間平均から1991~2020年の平均に切り替わります。更新は10年ぶりで本年5月19日から使用されます。
 新平年値は、年平均気温が全国的に0.1~0.5℃ほど上がります。気温上昇の背景を気象庁は温室効果ガスの増加にともなう地球温暖化による長期的な昇温傾向と、数十年周期の自然変動の影響があると解析しています。
 山形県の稲作期間の月平均気温も新平年値は旧平年値に対し、5月0.5℃、6月0.5℃、7月0.6℃、8月0.1℃、9月0.5℃、それぞれ高くなっています。そこで、山形気象台が観測を開始した1889年から2020年までの132年間の月別(7~9月)平均気温の推移を1971~2000年の平均値との対差で表してみました。グラフからは1980年代後半から急速に上昇していることがわかります。
 昨年は7月の記録的な日照不足に加え、8月の高温で玄米は小粒化、白粒化するなどで品質は低下しました。高温に強い酒造好適米品種の育成、栽培技術の導入など、酒米生産にも高温対策が喫緊の課題となっています。

2021年3月29日 14:44