クロ(畦畔)塗り作業進む

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クロ塗を終えたアスク試験田

 お彼岸が過ぎても山形は三寒四温、寒風吹く田んぼでは今年の米作りに備え、クロ(畦畔)塗作業が進んでいます。
 米づくり八十八の手間のうち、田植えや刈り取りは機械化され労働時間は大幅に短縮しました。米作りに要する労働時間は統計調査(2017)によれば、10アール 当たりの全作業が21.1時間、そのうち、育苗が3.5時間(16.5%)、田植が3.0時間(14.2%)、刈取脱穀が2.5時間(11.7%)なのに対し、田んぼに水を入れたり抜いたりする管理には5.5時間(26%)を要しています。とくに、経営規模の大きい農家ほど、田んぼが分散しているので、余計時間がかかります。水漏れする田んぼが多いとなおさら水管理には苦労します。
 それを軽減してくれるのがクロ塗作業です。ほどよく湿った春先の田んぼの土をクロに壁のように塗り付け、冬の間に崩れたクロをガッチリと補修します。こうすることで、ネズミやモグラ穴からの水漏れをも防ぎます。
 トラクタにセットした機械が100メートルのクロをたちまちのうちにきれいに仕上げます。このゆびとまれの山口泰弘さんや平吹正直さん、熟練した技がさえます。”備えあれば憂いなし”、高品質の酒米を育む作業が始動しました。  

2021年3月26日 11:46