残暑続く、品質への影響は!

気象(8月).jpg

気温と一等米比率.jpg

 

8月気温と酒米の等級.jpg

白未熟粒.jpg     高温による白未熟粒の発生(森田敏:イネの高温障害と対策 農文協より)

 処暑を過ぎたのに山形も厳しい残暑が続いています。8月6半旬も暑さが続くと予報されていますので、8月の平均気温は27℃ほどと予想されます。
 さてこの暑さ、産米の品質にどう影響するでしょうか。過去のデータをまとめると、8月の平均気温と一等米比率(山形県村山地域)には、図に示したように明瞭な関係が見られます。9月多雨に見舞われた平11年を除くと、両者の関係はもっと高まり(2=0.513)、8月平均気温が26℃以上の年の一等米比率は低下していることがわかります。
 高温による品質低下は、乳白粒、背白粒、基部未熟粒と呼ばれる白濁した未熟粒(白未熟粒と総称)の発生です。これまでの知見では、出穂後20日間の平均気温が26~27℃を超えると急激に増えることがわかっています。
  酒米についても調査をしたところ、酒米の作付け面積が県内で最も多い金山町の8月平均気温と県内全体の1等米以上の上位比率との関係も一般米と同様の関係が見られ、24℃以上では上位比率は低下します(注:山形市の気温では26℃以上)。
 山形県の主要品種は概して高温に強く、つや姫はやや強、はえぬきは中にランク(東北農業研究センター研究報告118号:2016)されています。しかし、この特性は刈り取り、調製などの管理作業がt適期・適切に行われることで発揮されます。
 本年は7月の日照不足と降雨で作溝・中干しの効果が十分でなかったことから刈り取りが遅れることが懸念されます。品質向上に向け、早めに作業計画を立てましょう。 

2020年8月24日 11:43