本年産酒造好適米品種の玄米千粒重は?

日照時間と千粒重.jpg日照時間と玄米の大きさ.jpg 

 大暑、暦どおり山形は朝から蒸し暑く、時折青空を見せています。6月6半旬から続いている日照不足、これで一段落だとよいのですが、予報によれば、今月いっぱいは曇雨天の日が多いとか。イネは7月に入ると幼穂形成期~穂孕期を迎え、この期間の天候の良しあしはモミ数や粒の大きさに影響します。ちなみに、日照時間は、6月6半旬が対平年比56%、7月1半旬が18%、2半旬が35%、3半旬が35%と少なく経過しました。
 そこで、アスク試験田におけるこれまでの調査データから、酒造好適米品種”出羽燦々”について、7月中旬の日照時間と千粒重との関係を見てみました。両者の関係にはフレはありますが、日照時間の対平年比が50%以下の少照年、80~100%の平年、そして160%の多照年を取り上げると、それらの千粒重は24.8g、25.4g、26.8g(平均値)でした。
 以上のように、7月中旬の日照時間の多少が千粒重に及ぼす要因の一つがこの期間に形成されるモミの大きさにあると推察されます。千粒重は一義的にはモミの大きさに決定され、モミの大きさが小さく形成されると、出穂後の天候が良好であっても千粒重は大きくはならないことが認められています。試験田ではモミの大きさは測定していないことから、玄米一粒の長さ、幅から推定しました。その結果、7月中旬が多照年の平29、平30(対平年比160%)は令1年(対平年比80%)に比べ、長さ、幅ともに大きいことがわかりました。すなわち、これらのデータは、この期間が多照か少照かでモミの大きさが決まり、千粒重の大きさもまた決まることを示しています。とすれば、本年産の玄米千粒重、令1年産並みでやや小さいのでないか?と予想されます。予想が外れることを祈っています。

2020年7月22日 11:40