アスク試験田の酒造好適米早生品種2日早い出穂

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早生出穂.jpg                                     アスク試験田の酒造好適米早生品種は2日早く出穂
 7月下旬に入っても日照不足が続いています。酒米の里金山の気象図をご覧ください。日照時間は破線で囲った6月26日から7月25日までの1か月間対平年比で44%と少なく経過しました。今週いっぱいも雨~曇りが続くと予報されています。この期間の日照不足は、粒を小さくする、タンパク含有量を高めるなど、酒米品質に影響します。
 一方、日照不足でも気温は高めで経過していることから、出穂は早まると思われます。アスク試験田の酒造好適米早生品種(美山錦・羽州誉・龍の落とし子)は平年より2日早く7月26日に出穂しました。イネは晴天の下では出穂後一斉に開花・受精(上写真)しますが、雨天や曇天では遅れます。また、日照不足で気温が高い天気が続くことで、イネが出穂前に蓄えるデンプンは少なくなるのでないか*。
 セミが鳴き始めました。梅雨が明けないまま立秋を迎えるのでしょうか。一日も早く夏空が広がることを願っています。
*穂に転流する光合成産物は、出穂前に生産された出穂前蓄積分と、出穂後に生産された出穂後同化分とからなる。出穂前蓄積分は出穂までに節間や葉鞘にデンプンとして蓄積さており、登熟初期に穂に転流して玄米の初期生長を促進し、稔実もみ歩合を向上させる。出穂後同化分は、登熟期間中の光合成産物で、玄米を充実させ登熟歩合を向上させる。なお、出穂後同化分は、収穫した玄米重の80~90%、あるいはそれ以上を占める(作物学の基礎:農文協)。


 

 

2020年7月27日 10:49