おいしい酒は土づくりから

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づくり肥料を散布する山口泰弘さん

 この指とまれの山口泰弘さん、クロ塗を終え、休む間もなく土壌改良資材(土づくり肥料ともいう)の散布に追われています。トラクタに装備したブロードキャスターが回転しながら30アールの田んぼに100kgほど散布していきます。
 田んぼの土の力”地力”は、米の収量や品質に大きく影響します。10アールあたり収量が600kgとすると、イネに含まれる窒素量は12kg、そのうち、土の中に含まれている有機物(イネわらなど)が微生物に分解された窒素(地力窒素)が70%をも占めます。米作りにとって、地力を高めるための土づくりは基本中の基本なのです。
 土づくりには、①堆肥・わらなどの有機物の施用、②土づくり肥料の施用、③土を深く耕すなどの方法があります。なかでも、ケイサンを含む土づくり肥料の施用が重要です。イネはケイサン植物ともいわれるほど多量のケイサンを吸収します。600kg/10アールの収量の場合120kg吸収しています。ところが、田んぼや灌漑水中のケイサン量は年々減少しています。このため、不足する分を土づくり肥料として与える必要があります。
 ケイサンがイネに吸収されると、葉や茎が青々と硬くしまり受光態勢が良好となってデンプンの生産が盛んになり、酒米品質の3条件、①粒厚が厚く粒が大きいこと、②心白が鮮明にはいること、③玄米タンパク質含有率が低いこと、を向上させます。また、夏の猛暑への抵抗性を高める効果もあります。
 山口さんが散布した土づくり肥料は高品質の酒造好適米「酒未来」を育み、おいしいお酒を醸してくれるでしょう。
 

2020年3月31日 10:32