アスク試験田(酒造米品種)千粒重低下

千粒重.jpg 玄米大きさと千粒重.jpg
 

 アスク試験田に供試している酒造好適米品種の収量、品質については調査中ですが、玄米千粒重が大きく低下していることがわかりました。表に示したように、4品種平均で平年より1.5g、対平年比で94%と低下しています。
 本年は7月中旬に日照不足に見舞われました。この時期はイネの生長にとってモミ(頴花)の縦生長と横生長が最も盛んな穂孕期に相当することから、モミ殻が小さく形成され、千粒重は低下するのでないか?、と本ブログ7月22日版で予測しています。でもこれほど低下するとは思ってもいませんでした。図は4品種の平29、30、令1年産の玄米の長さ×幅の値と千粒重との関係を示したものです。本年産(点線内)は両形質とも小さいことがわかります。
 玄米の厚さは、4品種とも29、30年産とほぼ同値であることから、本年産の千粒重低下は、玄米の長さ×幅が小さかったことによるのでないか。玄米の長さ×幅は端的にはモミ殻の大きさで制約されることから、本年産の千粒重低下は、一次的にはをモミ殻が小さく形成されたためと推察されます。そして、2次的には玄米の長さ、幅が決まる出穂後20日間が高気温で経過したことも関係しているのでないか。今後、もみ数との関連も含め検討したい。
 

 

2019年10月16日 10:07