粒形と酒米適性(千粒重)との関係(3)

粒形と千粒重.jpg玄米形状と千粒重.jpg 粒形と玄米千粒重との相関係数を右表に示す。粒長、粒幅、粒厚の3形質と千粒重にはいず れも正の相関関係がみられ、五百万石、出羽燦々は粒幅と、山田錦は粒長、粒幅ととくに高い相関を示した。
 千粒重(玄米の大きさ)はもみ殻の大きさによって一次的に決定されるが、このもみ殻の大 きさ(もみ長、もみ幅)は出穂期までに決まり、出穂後にはこの決まった大きさのもみ殻の内容 積を、どの程度に胚乳が充満するかによって二次的に玄米の大きさはほぼ出穂後25日頃ま に決定される(松島:稲作の理論と栽培)。
 玄米千粒重は精米、タンパク含有量、シンパク発現などの多くの醸造適性との 関連が深い。 品種間でも大粒のものが、同一品種であっても大粒となるほうが 良いとされる。大粒に育て るには、①頴果分化期から穂孕期、とくに出穂前15日 ころの穂孕期間の栄養条件を良好にする、過剰なもみ数を着生させないでもみ殻 を大きくすること、②登熟初期間を多照・気温日較差大など、登熟に有利な気象条 件下で経過させること、で粒長、粒幅が大きく肥大し、千粒重は大きくなることを、 酒米産地のサンプルの調査データもこれまでの知見と同様の結果を示している。
 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                     

 

2019年3月15日 14:01