インドハリアナ州のあぜ道から(2)

P1050356.JPG濃霧の中の小麦畑は車を5時間走らせても尽きることはない、その広大さに圧倒される(1月17日 右端の四角い建物はポンプ小屋)
ヒンドスタン平野.jpg
 西ベンガルで培ったインドでの日本米づくり、気象条件が大きく異なるハリアナ州でもそのノウハウを生かせるのか。新たな挑戦です。 
 ここで、ハリアナ州の農業の一端を紹介しておきましょう。ハリアナ州は北はヒマラヤ地帯、南はデカン高原との間でインダス、ガンジス、プラマプトラ川の流域の大平原、世界最大の沖積平野の北西部に位置しています。年間降雨量が500mm位の乾燥地帯で、元来小麦を主食とする地帯でもあります。そこがインドでもっとも多収の稲作地帯になったのは、1960年代の緑の革命によると言われています。当時、インドは食糧不足に見舞われていました。そこで、政府はハリアナなどの植民地時代に灌漑設備が整備されていた州に資金を集中投入、米、麦の多収品種に大量の化学肥料を施用することで増産を実現したという。
 このことから、ハリアナ州での本格的な米づくりは歴史が浅いのでは、と勝手に推察しています。雨量の少ない乾燥地帯であることから、灌漑がなければ土壌中の塩類が表面に蓄積する塩害地帯でもあるとも言う。土壌が高PH条件であることから、不溶性となる亜鉛を補給して(硫酸亜鉛で25kg/ha)灌漑することで立派な水田になるとも言う。
 ハリアナ州の米づくりの作業は、4月中~5月上旬にかけての小麦の刈り取りを終えた後に始まります。イネの播種は5月中旬、田植えは6月中旬、そして刈り取りは9月中~10月中旬が基本です。KAITHAl での冬期間の米づくりは、生産者にとっておそらく初めての経験でしょう。            


 

2018年1月30日 11:27