こめづくりの優れもの"作溝作業"

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作溝する山口泰弘さん(酒未来の田んぼで)   平吹正直さん(羽州誉の田んぼで)
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作溝を終えたアスク試験田と龍の落とし子の種子田

 今日の山形はむし暑く、最高気温31℃、週末からは梅雨らしい天気が続くと予報されています。稲の生育は一段と緑を増し、逞しくなってきました。葉の数は9枚目に達しています。この頃からの生育の特徴は、これまで増え続けた茎は穂を着ける茎(有効茎)と穂を着けない茎(無効茎)とに分かれることです。7月に入ってから出現する茎の殆どは無効茎になると言ってよいでしょう。このため、無効茎の発生を抑え、有効茎歩合(総茎数に対する有効茎の割合)を高めるのが、米づくりのポイントの一つになります。一方、湛水している田んぼは気温の上昇とともにワラの腐熟で硫化水素が発生し、根の生長を妨げます。
 そこで、無効茎の発生を抑え、根の健全な成育を促すため、いったん水を落とし、田んぼの数か所に溝を掘る「作溝」を行います。その後、10日間ほどは水を入れず、小ヒビがはいるぐらい乾かします。中干しと呼んでいます。中干しで稲の葉は黄色味を帯び硬くなり、根は下へと深く伸びます。
 作溝・中干しは稲の生育を健全にするだけではありません。稲刈りの時にも、田んぼの乾きが良いためコンバイン走行に効力を発揮します。米づくりにとって、作溝作業は一石二鳥、三鳥もの優れものなのです。
 

2017年6月29日 10:21