小春日和の下、種子調製作業スタート

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 アスクが取り扱っている酒米種子、その調製作業は例年ならは蔵王連峰の新雪を眺めながらですが、今年はめずらしく小春日和に恵まれた11月14日から始まりました。酒造好適米「羽州誉」、「龍の落とし子」、「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」、「改良信交」、「ASK愛山」、「京の華」、「酒の華」、そして「キヨニシキ」、「はなの舞」、「雪化粧」の種子です。これらの品種は、十四代高木酒造が独自に開発したもの、かつては山形県で奨励したもの、100年以上も前に工藤吉郎兵衛翁が創選したものなど、実に多様です。
 種子生産を担っているのがこの指とまれの山口泰弘、平吹正直さんです。もう12年目になります。雪解けを待っての塩水選に始まり、播種・育苗・田植え・刈り取り・乾燥の作業に加え、猛暑の中での調査や異株の抜き取り、さらには、刈り取り、乾燥では一品種ごとにコンバインの分解掃除など、通常の米づくりより気を遣います。
 一連の作業のしんがりが種子調製です。モミが300~500kg入ったフレコンを持ち上げるフォークリフト、モミの芒(のぎ)、枝梗(しこう)、ワラ屑を取り除く脱芒機(だつぼうき)、充実したモミのみを選別する回転型ふるい、昇降機、秤などの機械・器具類をつなぎ合わせ、創意工夫しながらの小規模な調製施設です。もちろん、一品種が終えるごとに、これらの機械類を分解掃除します。根気のいる作業が数日は続きます。手慣れた息の合ったコンビならではの手際の良さです。
 これらの種子は20kgずつ紙袋に詰め、来年の3月には酒米生産者に届けられます。その量は年々増え続け、29年用は4000kgにもなります。山形の地酒を醸す酒造好適米の生産は、種子生産というもっとも大切な地道な取り組みがあってこそなのです。
 
 

2016年11月15日 10:00