酒造好適米新品種「雪女神」出穂を迎える

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一足早く出穂期を迎えた雪女神(アスク試験田)

 山形は今日にも梅雨明けかのような夏空、最高気温は34℃と予報されています。とにかく蒸し暑い。この暑さにめげず、アスク試験田の出穂調査をしてきました。中でも注目されるのが、試験田に試作して初年目の新品種「雪女神」です。出羽燦々、出羽の里より一足早く出穂期を迎えました。
  「雪女神」は、タンパク含有量が低い、玄米品質が良好、高度搗精に対応するなど大吟醸酒向けの優れた特性を持っています。反面、本品種の玄米千粒重は登熟期間の気温の影響を受け、登熟気温(出穂後40日間の平均気温)が22℃前後では27gであるのに対し、24℃と高くなると25~26gと低下します。
 8月 の1か月予報によれば、気温は高めで経過するとのこと、加えて、7月第5半旬(21~25日)の最低気温が金山町などの中山間地では13~15℃と低かったことで、もみがらが小さく形成されるのでは?、と懸念されます。
 新品種が普及しようとする時には試練が待ち受けています。「はえぬき」が平成5年の冷害に、「つや姫」が平成22年の猛暑に遭遇したように。「雪女神」が暑さを乗り越え、蔵元に喜ばれる高品質米の生産には、かけ流し、早期に落水しないなど、出穂後の水管理がとくに大切です。

2016年7月29日 10:34