梅雨の晴れ間を縫って作溝

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物珍しそうに作溝を見つめる子供たちを
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アスク試験田(左)と種子田(右)の作溝

 きのうの山形は梅雨の一休み。晴れ間を縫って、「この指とまれ」の平吹正直さんが、アスク試験田と酒造好適米品種の種子田の作溝を行いました。
 稲の成育は、葉が9枚目を抽出しています。この成育期は、有効茎といって穂をつける茎と無効茎といって穂をつけない茎の分かれ目です。これから発生する分げつはほとんどが無効茎になります。田んぼの中ではワラが腐熟しガスが発生し根の成長を妨げます。
 そこで、無効茎の発生を抑制し、根の健全な成育を促すため、田んぼの水をいったん落とし、溝を掘ります。”作溝”と呼んでいます。その後は、中干しといって、田んぼに水入れず、小ヒビ割れが出る程度まで乾かします。
 作溝・中干しで葉や茎は黄色味を帯び硬くなります。新根は下の方へ伸びます。そして7月10日頃、再び水が入るときには茎の元に幼穂が生まれてくるのです。
 作溝・中干しは、稲を丈夫に育ててるだけではありません。刈り取り作業の効率を高めるメリットもあります。この作業を省いた田んぼは、刈り取り間近に降り続く雨でぬかるみ、稲は倒伏、こうなると大型コンバインといえどもお手上げです。作溝・中干しは、3か月先の稲刈りにも備える優れものです。
 

2016年6月28日 10:46