"ASK愛山"種子生産4年目を迎えて

P1030833 - コピー.JPG        車窓から梅雨の合間に姿を現わした富士山を眺望
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ASK愛山の原々種の苗を1本ずつ植える   田植えを終わって(左から2人目が松本さん)

 幻の酒米とも呼ばれている酒造好適米品種”ASK愛山”が醸す芳醇な味わいは、今、日本酒界で静かなブームになっています。6月10日、そのASK愛山をアスク社員が兵庫県小野市の酒米生産一筋の松本栄一さんの田んぼで田植えをしました。会社で育てた苗、田植え縄、田植え長靴・・・・など7つ道具を背負って。
 なぜ山形から兵庫まで出向いてASK愛山の田植えを?、と思うかもしれません。ASK愛山は兵庫県で生まれた極晩生品種です。アスク試験田で育てても、出穂は9月に入るため、山形の気象の下ではその特性は把握できませんし、十分な種子量も確保できません。適地適作、愛山の生まれ故郷で育み、その優れた特性を十分に発揮させ、厳正な種子を生産する、これがアスクの姿勢です。
 種子生産4年目を迎えた本年は、昨年選抜した5系統をそれぞれに田植えをしました。順調に育てば、9月初めには出穂、10月半ばには収穫できるでしょう。その間、出穂期、稈長(丈の長さ)、粒や心白の形状など、ASK愛山が具備している特性を調査します。ここで生産された種子は、来年松本さんの20アールの田んぼで増殖され、再来年、生産者用の種子となります。品種のすぐれた特性を維持し続けるには、こうした地道で、息の長い取り組みは欠かせません。
 蛇足ながら、田植えを終えた翌日、梅雨の合間に優雅な姿を見せた”富士山”を新幹線の車窓から急いで撮ったものも合わせ紹介しましょう。

2016年6月13日 10:33