清明の時節 雨 紛々

 今日4日は「清明」。二十四節気の一つで、植物の花が咲きはじめ、万物が生き生きしてくる頃とされていますが、県内の天気は昨日の陽気とは打って変わり、早朝から冷たい雨が降り続いています。静まり返った早春の雨に煙る田んぼの情景は、杜牧が詠んだ
   清明の時節 雨 紛々     路上の行人 魂を断たんと欲す
   借問す 酒家は何処にある  牧童 遥かに指す 杏花村
というところでしょうか。
 さて、この指とまれグループの山口泰弘、平吹正直さんは2日、酒米原種種子の塩水選作業を行いました。山口さんが「山酒4号(玉苗)」、「酒未来」、平吹さんが「羽州誉」、「龍の落とし子」、「改良信交」です。原種ですから、他品種とは一粒も混ざらないよう、注意を払いながらの作業です。
 塩水選は”充実したタネ”を選ぶという米づくりの基本中の基本と教え込まれてきた技術です。明治15年(1881年)頃に考案され、現在まで135年間にわたって引き継がれています。その原理は至って単純です。水10リットルに塩2.6kgを入れ、比重1.13の食塩水を作り、この中にタネもみを浸すと、充実したタネは沈み、軽いタネは浮きます。
 でも、塩水選は種子調製施設の高度化に伴って、もはや必要としないまでになりました。かっては農家の庭先で行われていた早春の風物詩でもあった塩水選ですが、その姿を消しつつあります。種子精選の方法はどうであれ、”充実したタネを選ぶ”、米作りの不易なるものと言って過言ではないでしょう。
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(平吹正直さんは一家総出で)       (山口泰弘さんはマイペースで)


 



 

 

2016年4月 4日 10:30