試験田の米づくりスタート

県酒造好適米品種一覧.jpg種子生産体制.jpg
原々種子調製の流れ.jpg
 山形県の酒造好適米の産地品種銘柄数は表のとおり14で、昨年収穫された酒米はいま、県内外の蔵でおいしい酒を醸していることでしょう。
 これら品種を作付する上で、基本となるのが優良種子の生産です。美山錦、出羽燦々、出羽の里、そして新品種の雪女神は、県の優良品種)に採用されており、その種子生産の流れは県農業総合研究センター(原々種、原種)→指定採種圃→生産者となっています。それ以外の品種は蔵元が独自に開発したもの、復古品種など多様ですが、種子生産を厳密に行うことは当然です。
 アスクが手掛けている品種(羽州誉・龍の落とし子・酒未来・山酒4号・改良信交・京の華)の種子生産は図の体制で行っています。この中で以外と面倒なのが原原種生産です。他品種の混合による劣化を防ぐため、播種~田植え~刈り取り~種子調製の作業は全てが手と目に依っています。ここでは、アスク流の種子調製の手順を紹介しましょう。
 ①試験田には、一品種が5系統ずつ植えられ、収穫期に各系統ごと20穂を選抜します(1)。
 ②系統ごとに穂一本ずつ手作りの器械?で脱穀します(2)。
 ③脱穀したままのもみをビニールシートにくるみ50回ほどもみます。 脱芒と呼んでいます(3)。
 ④脱芒したままでは粃、ワラ屑が混入しているので、2.2mmの篩目でふるいにかけ、精もみを選別します(4)。
 ⑤精もみを系統ごとに袋詰めします(写真5)。
これで完了です。
 今原原種の調製作業に追われていますが、それが終わればいよいよ今年の試験田での米づくりがスタートします。


 

2016年3月10日 11:22