新装なった調査室で酒米の品質調査始まる

 10月20日に発表された山形県の27年産米の等級比率(9月30日現在)は、うるち玄米では一等米96.4%(26年94.8%)、醸造用玄米では特等4.4%(26年5.2%)、一等米85.0%(同79.5%)と総じて高い値となっています。
 今、アスクの倉庫には、山形県産の酒造好適米「出羽燦々」、「美山錦」、「出羽の里」、長野県産「美山錦」、兵庫県産「山田錦」、「愛山」 などが積み込まれています。間もなく岡山県産「雄町」も入荷するでしょう。これらの酒造好適米と一緒に新装なった品質調査室には産地別、生産者別のサンプルも送られてきます。その数は、毎年600点ほどになります。
 品質調査室では、これらサンプルについて、酒造好適米としての望ましい形質、①粒が大きく豊満なこと、②心白が中央に鮮明にあり大きすぎないこと、③胴割れ粒歩合が低いこと、④タンパク含有率が低いことなどを専用の機器で調査します。
 ただ調査するだけではありません。これまでに蓄積されている過年次のデータと比較しながら解析し、その結果を蔵元や生産者の手元に届け、酒造りと酒米作りに活用いただけるようにしています。 とくに本年の山形県産米のチェックポイントは、出穂後の日照不足が酒米品質にどう影響しているかにあると考えています。
 これから一冬、窓外の雪景色を眺めながらの調査と解析に追われる日々が続きます。
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整粒歩合・胴割れ粒歩合・心白率の測定
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酒造好適米の玄米タンパク含有率の測定
 

2015年10月30日 09:45