刈取り適期の判定に日照時間も

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 今日から9月、依然としてどんよりとした曇り空が続いています。8月中、下旬は日照時間が極端に少なく、対平年比で中旬が57%、下旬が23%でした。この天気で、アスク試験田の中晩生品種の登熟は一休みという状況です。
 例年なら、9月10日頃から、コンバインのエンジン音が田んぼに響き渡るのですが、寡照年では刈り取り適期の判定に頭を痛めます。単純に出穂後の積算気温で1000℃到達日というわけには行きません。積算日照時間を考慮する必要があるからです。その目安はほぼ200時間と言われています。
 そこで、8月は本年値を、9月1日以降は平年値でもって出穂期別にそれぞれの到達日を試算したのが下表です。これによれば、1000℃と200時間の到達日は一致せず、日照時間が少なかった山形はそのズレが大きいことがわかります。刈り取り適期.jpgこのことから、適期の判定には、田んぼのモミを手にとって、その黄化程度をも観察してください。黄化の割合は90%が目安です。
 9月の気象経過をにらみ、田んぼに足を運びモミを観察し、刈遅れにならないよう計画的に作業を進めることが品質向上の決め手になるでしょう。とりわけ酒造好適米では、胴割れ粒の発生を軽減し、粒の充実を図るためにも、適期の判定は大切です。フィニッシュはピタリと決めたい。

2015年9月 1日 11:53