インド西ベンガルのあぜ道から(15)

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青々と広がる水田、遠くには民俗衣装で草とる女性たちが 
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調査していると物珍しげにたちまち人の輪が

 向かった第三の場所、そこは本シリーズ15で紹介したBelakobaの水田地帯です。乾季の4月に訪れたとき、青々とした空と清冽な水が注ぐ田んぼが広がり、草取りする女性たちの笑顔が印象的でした。
 今回も青々とした田んぼがプロジェクトRを迎えてくれました。遠くでは女性たちが草取り、4月に見た光景と同じです。でも、違うのは雨上がりの蒸し暑さとどんよりとした空、水路は背丈ほどに伸びた草に覆われています。
 田んぼに入ると、SARNO?というインディカ型品種の成育は分げつ盛期頃、葉色は濃いのですが下葉には根腐れなのか赤褐色の枯れ上がりがみられます。そして、上位葉にいもち病らしき病斑、もしいもち病なら、病菌レースは?。日本稲はそのレースに対して抵抗性を示すだろうか。雨季という高温高湿の条件は本病の発生には好条件です。
 そこで、Belakobaの肥料・農薬屋さんに立ち寄って葉っぱを見せたところ、店主が古びた本を開き指さしたのがblast(いもち病)の写真でした。丁寧にも棚からはCAVIETという農薬も取り出して。いもち病の防除薬剤を扱っているということは、ここがいもち病の常襲地帯なのでしょうか。心配のタネが増えました。
 こうした懸念材料はあるものの、雨季と乾季の二期作にもっとも安心感を与えたのがBelakobaです。プロジェクトRの一致した答えでした。ことわっておきますが、草取りする女性たちの明るさと民族衣装に惑わされたのでは決してありません。乾季と雨季のイネの成育ぶりを見てです。KOLKATAから北へ700km、BANGLADESHとの国境近くの気象風土に育まれる日本稲に会えるのも間もなくでしょう。
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肥料・農薬屋さんが勧めたいもち病の薬CAVIET

 

 

2015年9月28日 13:31