米づくり、後半戦へ

          気象図5,6月.jpg

DSC_0445.JPG 作溝.jpg

 7月の暦をめくると時の流れの早さを感じます。一年の折り返し、米づくりもまた後半戦へと入りました。4月中旬のタネ播き、5月中旬の田植え、そして6月は葉や茎、根の栄養成長です。この期間は高温多照の比較的恵まれた天気で経過しました。7月に入り、株元には目には見えないほどの穂が生まれ育ちます。栄養成長から生殖成長への転換です。穂の成長には低温が大敵、エルニーニョ現象が強まっているといことで夏の天気が気になります。
 さて、この時期、気温の上昇とともに、田んぼに足を踏み入れると、ガスのような特有の臭いがしてきます。ワラの腐敗によるものです。”田んぼがワク”とも呼んでいます。根は黒ずみ成長に悪影響を与えます。
 そこで、田んぼの水を落とし、溝を掘る「作溝」を行います。その後は中干しといって10日間ほど水を入れません。中干しで田んぼには小さな亀裂が生じます。イネの葉は褪色しガッチリした体型になります。穂を着けない茎(無効茎)の発生を抑えます。根は下方へと深く伸びます。作溝・中干しはイネの成育を健全に育てるだけではありません。田んぼが硬く締まることで、刈り取り作業の効率アップなどに大きな効果を発揮します。降り続く秋雨で倒伏したイネ、作溝・中干しをきっちりしなかった田んぼには水が溜まり、刈り取りをあきらめた場面を目の当たりにしてきました。
 作溝は蒸し暑い中、そしてぬかるむ中で、かっては、歩行しながらの作業でした。今は違います。田植機型のもので短時間で作業をこなして行きます。作溝・中干しは「転ばぬ先の杖」、「労少なくして功多し」の優れものです。
 

2015年7月 2日 09:46