"アスク愛山"の種子生産3年目を迎えて(1)

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アスク愛山の原原種5系統の田植え、苗を一本ずつ、田植え縄に沿って植える

 幻の酒米”愛山”が醸す芳醇な香り、その愛山をアスク社員が兵庫県小野市の酒米生産者松本栄一さんの田んぼで田植えをしました。3年目です。なぜ山形からわざわざ兵庫まで出向いて田植を?、一言で云えば、アスク愛山をより確かなものに育て上げることにあります。そのためには、厳正な種子生産を継続する、アスクの酒米づくりの基本的な姿勢です。
 山形からクーラーボックスに入れ「つばさ」・「のぞみ」の新幹線で運び込んだ愛山5系統の苗、4葉ほどに育った苗を一本ずつ、1系統100株を丁寧に植えました。順調に育てば、9月初めには出穂、10月中旬には収穫となります。ここで生産した5系統の種子を原原種とし、この種子は平成28年松本さんの田んぼで増殖され、29年に生産者の田んぼで育つのです。”アスク愛山”が酒造好適米としての優れた特性を発揮するには、種子生産という息の長い地道な取り組みは欠かせません。
 さてこのたびは、愛山が1941年(昭16)に「愛船117」(種子親)、「山雄67」(花粉親)として交配、「愛山11号」として誕生した兵庫県立農事試験場酒米試験地(現兵庫県立農林水産技術総合センター)に立ち寄ることが出来ました。とはいっても、田植えが終わったのはすでに薄暮、写真を撮るだけのほんのちょっとだけの時間でした。試験地は、小規模ながらも全国唯一、90年近く山田錦の育成をはじめ酒米研究一筋に歩み続けてきたその伝統と凛としたたたずまい、酒米に取り組んでいる一人として、改めて気を引き締められた思いでした。突然の訪問、それも土曜日にもかかわらず、場内を見せていただいたことにお礼申し上げます。
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兵庫県立農林水産技術総合センター酒米試験地にて
 

2015年6月15日 11:03