インド西ベンガルのあぜ道から(4)

 西ベンガル州は11~4月が乾季で、その節の月平均気温は、11月25℃、12月21℃、1月20℃、2月23℃、3月には一気に上昇し28℃、そして4月には30℃になります。アドバイザーからは、”収量アップには健苗育成が基本、そのためには気温がもっとも低くなる12~1月に育苗し田植えすること”との助言がありました。
 そこで、プロジェクトRはBADHAMAN Bhater地区の委託農家には12月20日播種、1月20日田植えを行うよう指示、そして1月14日に渡印しました。休む間もなく試作を委託しているNADIA Ranaghatの農業試験場を視察。
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農業試験場にて試験担当の研究者と苗の成育状況をみる

 アドバイザーの現地報告によれば
①試験場の苗代は短冊形に区切った水苗代。
②苗の生育は順調で4葉前後で移植適期。
③苗立ちや苗丈には品種間で差がみられる。
④本田での試験は、
ア 苗代日数は25日、35日、45日の3水準
イ 栽植密度は10×10cm(100株/㎡)、15×10cm(67株/㎡)、15×15cm(44株/㎡)、30×10cm(33株/㎡)の4水準
ウ 施肥量、施肥期はN成分で基肥6kg/10a+分げつ期3kg+穂肥3kgと8kg+4kg+4kgの2水準とする。
という大変緻密な設計であった。
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 農家の苗代と苗の成育

 次に向かったBhater地区は平坦地が果てしなく広がり、インド稲作の中心地であることを実感した。Bhater地区は
①気象は終日晴天、気温は最高25~30℃、最低15~20℃で育苗には最適。
②灌漑は地下水を電気揚水するが排水路はない。
③土壌は粘質で、透水性は悪い。
④耕起・代掻きはトラクターで行うが、田植は手植え、イネ刈は手刈り。
⑤施肥は基肥には高度化成、追肥は尿素。
 委託農家の苗は
①成育は順調で3.5~4.0葉で障害はみられず、田植え適期。
②日本稲を植える田んぼは耕起し入水されていた。
③田植えが指示どおりに進捗するなら、出穂は3月上旬、4月上旬には刈り取りか。
 残念ながら、プロジェクトRは田植え直前に帰国せざるを得なかった。その後、KOLKATAに駐在するメンバーの報告によると
①品種A、Bは1月18日に14~16a、品種C~Gは1月25日に6~8aにそれぞれ田植え。
②一株の植込み本数は4本、栽植密度は26~29株/㎡の密植。
③施肥は、基肥量は不明であるがN成分で3kg/10aほどか。追肥は品種A,Bは1月31日に、C~Gは2月7日に尿素を施用。

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苗取り、田植え後の田んぼ、追肥する農家

 プロジェクトRは苗が現地の慣行のものとはちがって丈は短く育ち、また、田植えが予定通りに行われたことに一安心。あとは順調な成育を祈るのみ。


 

2015年5月 8日 11:01