最北の蔵を訪れて

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 日本最北の地で酒を醸す、北海道増毛町の小雪と波の華が舞う海辺にその蔵元があります。明治15年(1882)創業、130年有余の伝統を誇る国稀酒造です。このたび訪れる機会がありました。
 ニシンの豊漁で賑わい、ソーラン節に手拍子を打ちながら飲みかわしたであろう国稀、海鳴りを一人静かに聞きながら盃を干したであろう国稀、地元に愛され、北の大地にしっかり根を張り、そして今や全国に名を馳せている国稀酒造。蔵に一歩入ると、思い浮かべていた古色のイメージそのままに、時間が一瞬止まったたたずまいに、蔵の歴史の重さを感じました。
 酒蔵といえば、山間の静かな里を思い浮かべますが、国稀酒造はウミネコが飛び交い日本海の荒波が打ち寄せる浜を背景にして立っているのです。その雄大な景色には圧倒されました。
 それにも増して蔵の皆様の”温かいもてなし”、きっとこの心と暑寒別岳の清冽な水が最北の酒を生み育んできたと言って過言ではないでしょう。 車中で日本海の雪景色を肴に飲んだ”新酒蔵ばしり”、端麗な中にも新酒の荒々しさが腹にしみわたった北の味でした。

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2015年1月26日 14:22