26年産酒造好適米の品質調査始まる

 このほど発表された山形県の26年産米の等級比率(9月30日現在)は、うるち玄米では一等米94.8%、醸造用玄米では特等5.2%、一等米79.5%と総じて高い値となっています。
 いま、アスクの倉庫には、検査を終えた山形県産の酒造好適米「出羽燦々」、「出羽の里」、「美山錦」、新潟県産「五百万石」、長野県産「美山錦」などが積まれています。まもなく、兵庫県産「山田錦」と「愛山」、岡山県産「雄町」なども集まってきます。酒米と一緒に産地別、生産者別のサンプルも品質調査室に送られてきます。その数は、600点ほどになります。
 品質調査室では、これらサンプルの整粒歩合、胴割れ粒歩合、千粒重、心白率、タンパク質含有率を専用の機器で測定し、酒造好適米としての望ましい形質、①粒が大きく豊満なこと、②心白が中央に鮮明にあり大きすぎないこと、③タンパク質含有率が低いことの条件を満たしているかを分析します。
 品質を調査するだけではありません。得られたデータを解析し、その結果を蔵元や生産者の手元に届け、酒造りや酒米づくりに活用いただけるようにしています。なかでも、玄米タンパク質含有率のデータは、生産者の施肥法・土壌特性などの栽培履歴と改善点を見出す有力な手がかりを与えてくれます。
 これから一冬、サンプルの品質調査と解析に追われる日々が続きます。
(原料米の粗タンパク質含有率は、酒造用原料米の全国統一分析法によれば、ケルダール法と呼ばれる分析法で窒素量を測定し、この値に係数5.95を乗じたものとされています。これに対し、アスクでは玄米タンパク質含有率は近赤外分析計(BLテック社、インフラスター)で測定しています。なお、インフラスターの検量線は、100点近い酒米サンプルをケルダール法で分析した6~10%の範囲のデータに基づいて作成されています)
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玄米のタンパク質含有率の測定
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品質(整粒歩合、胴割れ粒歩合、心白率)の測定

2014年10月28日 10:00