米づくりに備える

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 山形市郊外の西蔵王、龍山は再び雪化粧                      熟練した運転と技で仕上がる
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 ここ数日続いた寒の戻りで、蔵王の山々は再び雪化粧したようです。寒風が吹く田んぼでは今年の米づくりに備え、クロ(畦畔)塗作業が進められています。
 ところで、米づくり八十八の手間のうち、一番手間のかかる作業は?と問えば、あぜ道日誌の大方の読者は田植えとイネ刈りと答えるでしょう。今の米づくりに要する労働時間は、統計調査によれば、10アール当たりで田植えが3時間、稲刈り・脱穀が3時間、これに対し、米作りの血液でもある水、田んぼに入れたり、抜いたりする管理には倍もの5時間かかっています。とくに、経営規模の大きい農家ほど、田んぼがあちこちに分散しているので、余計多くの時間がかかると言われています。
 それを軽減してくれるのがクロ塗です。ほどよく湿った田んぼの土をクロに壁のように塗り付けます。こうすることで、クロからの水漏れを防ぎます。かって、この作業は鋤や鍬を使っての春先の重労働でしたが、今は、トラクタにセットした機械が100メートルのクロ塗をたちまちのうちに仕上げます。もちろん、熟練した技と運転で。 また、ソバなどを転作した田んぼでは、壊れた暗渠の補修工事も行われています。
 この指とまれの平吹さん達は、”備えあれば憂いなし”、高品質酒米を育む水管理を支える地道な作業に追われています。

2014年4月 8日 11:29