一幅の墨絵"雪の最上川"

P1000658.JPG            厳冬の最上川(1月13日、大石田町にて)
 山形県内の積雪は、山間~中山間地域で平年を大きく上回っています。15日現在で、大蔵村肘折226cm(平年173c)、西川町大井沢203cm(同133)、金山町142cm(同61)、尾花沢市130cm(同68)となっています。
 間もなく大寒、真冬の最上川を眺めるのも一興、舟運で栄えた大石田町まで車を走らせました。大石田には最上川に魅せられ、多くの文人墨客が訪れています。
    「さみだれを集めてすずし最上川」(芭蕉)
    「ずんずんと夏を流すや最上川」(子規)
は夏を詠んだ句ですが、歌人齋藤茂吉は
    「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆうべとなりにけるかも」
と冬の厳しい情景を詠んでいます。
 文人ならぬ凡人が岸辺に立つと、そこには吹雪で白波たつ一幅の墨絵の世界が広がっていました。でも、この日の気温は-5℃、川面を渡る風は強く、とても絵を鑑賞している余裕はありません。シャッターを押す指はかじかみます。早々に退散。
 最上川の四季折々の風情、それは厳しい寒さと雪に耐え、春を迎える人たちのみに与えられる恵みなのかもしれません。そんな思いで豪雪の大石田を後にしました。

 



 

2014年1月16日 10:13