アスク試験田、25年産酒米の品質

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 試験田の四季:田植え終わって(5月中旬) 刈り取りを前に(9月中旬) 冬の訪れ(11月下旬)
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 今日は小雪、田植え、イネ刈りで賑わったアスク試験田に立つと、冬の到来が間近くなったのを感じます。
 さて、試験田での酒造好適米7品種のタネ播きから収穫まで、その成育経過は本ブログで逐一取り上げてきました。ここでは、収量と品質について紹介しましょう。なお、詳細については現在とりまとめ中です。
 品種別の収量・品質を平年値(平成18~24年の平均値)と比較したのが右のグラフです。これらを7品種の総平均で本年値と平年値を比較すると
 収量:57.8kg/a(対平年100%) 
 千粒重:25.7g(対平年101%)
 整粒歩合:69.7%(対平年差+3.4%)
 心白粒歩合:25.9%(対平年差+2.2%)
 玄米タンパク含有率:7.0%(対平年差+0.1%)
となっています。
 以上から、試験田における25年産米は、品種によって傾向は若干異なるものの収量は並み、品質は整粒歩合が高くやや良と判定されます。試験田の栽培法は毎年同じですので、これらの結果は、山形の稲作期間(5月~9月)の気象の影響を反映していると考えられます。実際、24年および23年の試験田の収量・品質は猛暑によって大きく下回りました。本年は、7月が長雨に見舞われましたが、8月は最低気温が低く、酒米の稔りにとって良好な気象で経過したことが幸いしたのでしょう。
 試験田に隣接する「このゆびとまれ」のグループにも久しぶりに笑顔が見られた出来秋でした。試験田の成育調査の結果から「気象変動に対応した施肥法・水管理」などの情報を酒米生産者に提供する、この地道な取り組みが、本年の作柄良好にほんの少しですが役だったのでは?と思っています。

 

2013年11月22日 10:09