"酒未来"の成育を診断

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”このゆ びとまれ”の山口泰弘さんが5ヘクタールの田んぼで作る酒造好適米”酒未来”、今、この成育に黄信号が点っています。葉が長く伸び、葉の色が濃いのです。成育を調査した結果、草丈は78cm、葉色は40~45で、指標値の草丈70cm、葉色37を上回り、稲体は肥満と診断されました。このままでは9月の刈り 取り期に倒れる心配があります。周囲の田んぼも例年よりは葉色が濃く感じられます。
肥満体をもたらしたのは、
① 7月に入ってから(7/1~7/15)の気象が、日照時間が少なく(平年比56%)、最低気温が高く(平年差2.7℃)経過したため、
② 山口さんの田んぼはプラウ耕で深く耕されていて、6月に入ってから土の中の窒素量が周辺の田んぼより多く発現(乾土効果という)し、イネはこの窒素分を多く吸収したため、
と考えられました。  
診断結果への処方の要点は水管理です。これから穂がでるまでの15日間ほどは、できるだけ田んぼを乾かし、窒素の吸収を抑制し、硬く締まりある稲体に作り上げていくことにあります。”善は急げ”、早速、山口さんは田んぼの水回りに奔走です。

処方箋どおりダイエットできるか、これからしっかりと見守り、この貴重な体験をこれから栽培に生かしていきたい。米は一年で1回しか作れないのだから。

 

2013年7月17日 15:48