酒米づくりへの新たな挑戦(12)

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酒米の里、清冽な水が出羽燦々を育む         豊富な水が流れ込む松澤さんの圃場

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JA金山酒米研究会松澤信矢会長が酒造好適米「出羽燦々」のより高品質をめざす疎植栽培の7月3日の成育は右の表のとおりです。
成育は前年と比較し、草丈は長く、茎数はやや少ない、葉色はやや濃く、昨年とは異なる成育パターンを示しています。
今の成育時期は、茎の数が最高に達することから最高分げつ期と呼ばれています。これ以降は分げつは増えず、逆に少しずつ減少
ます。今発生している茎が穂になる割合を有効茎歩合と言います。この有効茎歩合を高めるのも米作りのポイントのひとつです。
松澤さんの田んぼは、例年ならば作溝・中干しで土は硬く締まり、ヒビ割れているのですが、まだ、湛水のままなのです。葉色もやや濃いようです。
その理由を松澤さんに聞きました。「
昨年は、茎の数が多かったため、作溝・中干しを6月下旬と早めに、そして強く行いました。このため、茎数が急減し有効茎歩合が低下しました。このことが穂数不足で収量が今一つという結果につながったようです。本年は、昨年の反省に立って、有効茎歩合を高めるため、6月25日頃に軽めの中干しをし、その後再び湛水しました。本格的な作溝・中干しは7月5日を過ぎてからと考えています」。
松澤さんが疎植栽培に取り組んで3年目、これからが酒米づくりの本番、これまでの苦い経験を生かしながらの挑戦が続きます。

2013年7月 4日 15:44