「つや姫」誕生の地を訪ねて

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水田農業試験場                  「つや姫」誕生のまち鶴岡市藤島

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冬に交配したF1種子               実験室にはDNAマーカの試験機器が並ぶ

おいしいお米として人気上昇中の「つや姫」、その育成を手掛けた山形県農業総合研究センター水田農業試験場(鶴岡市藤島)を訪ねました。
水田農業試験場が設立されたのが大正9年(1920)、約一世紀近くにわたり、庄内平野の米作りを見続け、技術開発に大きな役割を果たしてきました。地元からは”分場”とも呼ばれ親しまれています。
水田農業試験場で水稲品種育成が本格的にスタートしたのは比較的新しく、昭和39年です。以来、これまであさあけ(昭52)を嚆矢とし、はなの舞・みちのくわせ・はえぬき・どまんなか・雪化粧・出羽燦々(酒米)・里のうた・ゆめさやか・出羽の里(酒米)・里のゆき(低アミロース米)・こゆきもち・つや姫・出羽きらりの14品種が誕生しています。
これら品種のなかで特筆されるのが「はえぬき」と「つや姫」です。「はえぬき」は、山形県で39000ha作付され、全国食味ランキングでは19年連続特A、魚沼産「コシヒカリ」とともに高い評価を得ています。そして「つや姫」、デビューしてまだ日は浅いものの、ごはんの白さ・つや・おいしさの三拍子に加え、近年の猛暑にも負けず高品質という優れた特性が注目されています。宮城・島根・長崎・大分県が奨励品種に採用するなど、今後、全国に向けての普及拡大が期待されています。
もちろん、試験場ではこれらの品種育成に満足するのでなく、DNAマーカを使った育種方法の導入による新品種の開発を目指しているとのこと。これからも優れた品種が生まれるであろうことを楽しみに、「つや姫」誕生の地を後にしました。早春の鳥海山・月山を眺望しながら。

 

 

 

2013年3月26日 11:04