大吟醸酒用に削られた米粉の新たな利用に向けて

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「吟上ぬかの現状と新たな食品開発に向けて」を発表するアスク社員(山形県食品加工研究会にて、3月15日)

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大吟醸用にとう米された米と吟上ぬか

酒造好適米「山田錦」、「出羽燦々」の大吟醸酒、まろやかでフルーティな味わい、そのおいしさは究極まで削られた米が醸し出しているのです。大吟醸酒の名称は、とう精歩合50%以下と規定されていますが、35%、中にはそれ以下のものも出回っています。高級酒になればなるほど、とう精歩合がどんどん下がり、米は原型をとどめない粟粒のようになっていくようです。
そこで気になるのが大量に削られた「米の粉の行き先は?」です。アスクの酒米の精米工場を訪れたほとんどの方からの質問です。廃棄処分されるのは”もったいない”という気持からでしょう。
通常、酒造米ぬかは、とう精部位によって、赤ぬか(玄米の表皮から内側10%)、中ぬか(表皮から内側10~20%)、上ぬか(表皮から内側20~30%)、吟上ぬか(表皮から内側30%より内側)に分けられます。赤ぬかは米油・肥料・飼料用に、中ぬかは飼料・ペレット用に、上ぬかと吟上ぬかは米菓用に利用されています。
なかでも、吟上ぬかは市販の米粉と外見上はほとんど見分けのつかないほどです。このため、蔵元にとっても、当社にとっても、この吟上ぬかの新たな利用が喫緊の課題となっています。
しかし、吟上ぬかはとう精時の摩擦熱によってデンプンの損傷が大きいため、水にとけやすいなど、市販の米粉とは特性が大きく異なることが知られています。こうした特性をもった吟上ぬかですが、加工方法によっては新たな食品開発への道が拓けるのではないか。これからの酒づくりへの活性化をめざし、ぬかの新たな利用に向けてアスクは挑戦しています。

 

 

2013年3月18日 16:27