山酒4号(玉苗)研究会、今年の作柄を語り合う

DSCN4760.JPGのサムネール画像 雪が舞う12月19日の夜、酒造好適米山酒4号(玉苗)研究会(河北町、奥山善男会長:写真左手前)のメンバー7名、山崎商事、山米商事、そしてアスクの関係者が東根市に集い、山酒4号の作柄を語り合いました。
山酒4号の本年産米の品質は、次の4点に集約されます。
第1点、それは千粒重がここ7年間でもっとも小さかったことです。平均26.0gでした。23年産が29g、平年でも27.5gですから、本年産の千粒重はかなり低下したことがわかります。メンバーは、観測史上もっとも山酒4号.jpg暑 かった9月、刈り取り直前まで落水を
遅らせるなどの対応を講じたのですが、猛暑には勝てなかったようです。
第2点が、タンパク質含有率が総じて低く、例年見られていたメンバー同士での差がほとんど見られなかったことです。メンバーのこれまでのタンパク質含有率の年次推移を比較すると、折れ線グラフに示したように、Aさん(黒線)の低位安定型、Bさん(黒点線)の高位安定型、そしてCさん(赤線)の変動型という特徴がありました。ところが、24年産米は平均7.2%と低い方に集中し、しかもメンバー間のバラツキが小さいという好ましい結果を示していることです。これは、穂肥などの対応が適切であったためと考えられます。

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第3点が、胴割れ粒歩合が平均2.3%と低く、メンバー間のバラツキも小さく、好ましい酒米に仕上がったことです。高温下でも胴割れ粒の発生が低かったことは、落水を遅らせた水管理が功を奏したものと考えられます。
第4点、これが山酒4号の高温年での特性でもあるのですが、心白が粒の中心部に鮮明に入らず、腹側に大きく流れ、玄米の外観を損ねてしまうことです。このため、等級が上がらず、2名が1等、5名のものがが2等米になったことです。
このように、24年産山酒4号の品質は、栽培管理の努力が生かされ低タンパク・低胴割れの米になった一方で、高温と品種特性を克服できず小粒・2等米が多かったという相反する結果を示しました。
9月の猛暑に翻弄された今年の酒米づくりでした。検討会終了後、メンバー達は、この経験を今後の山酒4号の栽培管理に生かし、さらなる品質向上に向けて気勢をあげたことはもちろんです。山酒4号が醸す純米大吟醸酒「秀鳳」を飲みかわしながら。

 

 

 

 

 

 

2012年12月20日 09:46