酒米づくりへの新たな挑戦(8)

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疎植栽培圃場にて松沢信矢会長

JA金山酒米研究会松沢信矢会長が酒造好適米「出羽燦々」のより高品質をめざす「疎植栽培」の7月6日の成育は次の通りです。
成育は前年と比較して、草丈は短く、茎数は多い、葉色はやや淡いという状況です。このような成育パターンは、短草多げつ型とも呼ばれ、体型でいえばズングリ型に当てはまります。これは、6月第6半旬の気象が最低気温低く多照(平年の3倍)で経過したことによる影響と思われます。
今の成育時期は、分げつの発生が最高に達する「最高分げつ期」です。これ以降は、新たな茎は生まれず、逆に徐々に減少して行きます。通常、最高分げつ数が過度に多い成育パターンは、ともすれば茎が穂になる割合(有効茎歩合)が低くなりやすい傾向にあります。疎植栽培でもこのような現象がみられるのか、注目しています。
有効茎歩合を高めるには、例年より早めに作溝・中干しを実施することがポイントです。また、7月中旬の適切な穂肥対応によってモミ数を確保し、モミ殻を大きくする、さらにはケイサンの散布で健全な稲体を作り、稔りを高めるなど、昨年とはタイプのことなる稲を相手に、松沢さんの酒米づくりはこれからが本番を迎えます。
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疎植栽培の成育(前夜からの強い雨で中干し中の田んぼも湛水状態)

 

2012年7月 9日 14:36