アスク試験田の成育状況(7月20日) 5

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成育の推移(7月20日).jpg 猛暑から一転して、山形県をはじめ東北地方には低温注意報が出されています。7月20日の山形市の最低気温は16℃、ここ数日は涼しい日が続くようです。
例年、イネの成育が穂
孕期(ほばらみき)に入るこの頃、東北地方ではヤマセによる低温に見舞われます。この低温が長く続き、そのうえ日照が少ないと、幼穂の花粉形成が阻害されます。このため、出穂・開花しても稔らない”不稔モミ”が発生します。その程度が軽微なら収量にはほとんど影響ありませんが、多発し減収するのが冷害です。障害型冷害と呼ばれています。最低気温16~17℃で数日程度の低温なら、心配はないと思われます。
さて、アスク試験田の7月20日現在の成育ですが、11枚目の葉が急伸長し、草丈はほぼ平年並みまで追いつきました。茎数は10日よりわずか減少、葉色は濃いという、グラフにみられるように、平年とは異なる特徴的な成育パターンを示しています。
葉数は全品種平均で11.3葉、平年より0.5葉少ないことから、出穂は総じて3日程度遅れると見込まれます。ただし、低温の影響によっては、もう少し遅れるかもしれません。
早生品種は、穂を孕んだ茎が出穂が近いことを告げています。猛暑が戻ってくるころ、田んぼでは一斉に小さな黄色い花が咲き、あぜ道に吹くさわやかな風が、暑さを和らげてくれるでしょう。米どころ山形ならではの夏の風物詩です。

 

 

2012年7月20日 11:41